高強度ステンレスブマックスとは?強度などbumaxの優れた特徴を解説

高強度ステンレスブマックスは、スウェーデンステンレスボルト専門工場でしか作られていない高強度のステンレスボルトです。bumaxは、高強度、耐食性、非磁性、低価格といった他のステンレスボルトにない、多くの優れた特徴を有していますが、それらについて解説します。

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目次

  1. 1高強度ステンレスブマックスとは
  2. 2高強度ステンレスブマックスの強度など優れた特徴
  3. 3まとめ

高強度ステンレスブマックスとは

高強度ステンレスブマックス

高強度ステンレスbumaxとは、スウェーデンステンレスボルト専門工場であるBUFAB社でしか作られていない高強度のステンレスボルトです

高強度ステンレスbumaxが使用するスウェーデン鋼316LHimoは炭素を少なくし、クロム、ニッケル、モリブデンを増加させた特殊合金です。

高強度ステンレスbumaxが開発されたきっかけは、ヨットメーカーや潜水艦メーカーなどから高強度の鋼ボルト以上の強いSUS(ステンレス)ボルトを作成してほしいという要望があったため、1990年に開発され、EUで発売されるようになりました。

bumaxの名前の由来は、会社名であるBUFABのBUとMAXを合わせたもので、最も優れたSUSボルトとして2006年には日本国内でも販売を開始しています。

現在では、SUSボルト締結の課題を改善したボルトとして、多くの場所で使用されています。また、 bumaxの輸入販売元はSPSアンブラコ社です。
 

ステンレス鋼とは

ステンレス鋼とは、鉄とクロム、またはクロムとニッケルを含み錆びにくい合金鋼です。ISO規格では、炭素含有量1.2%以下で、クロム含有量10.5%以上の鋼と定義され、一般的にステンレスと呼ばれています。

ステンレス鋼は、クロムが一定以上含まれることによって耐食性が増す合金鋼です。現在はさまざまな特性を加えたステンレス鋼が開発され、多くの種類のステンレス鋼が存在します。

ステンレス鋼は合金鋼の一種であるため、鉄の含有量が50%以上でることもステンレス鋼の定義のひとつとなっています。

また、炭素はステンレス鋼にとっては不純物元素ですが、有効に活用されていることもある合金元素です。一部の種類のステンレス鋼を除いて、ステンレス鋼の炭素含有量は0.03%を下回るような低濃度で造られています。
 

ステンレス鋼の歴史

鉄は紀元前にその製造法が発明されていて、地球上に豊富に存在したことからあらゆる分野で利用されてきた材料ですが、一方では錆びるという欠点があります。

19世紀中には重要な基礎研究があり、1900年代にはフランスのレオン・ギレやドイツのフィリップ・モンナルツ鉄とクロムの合金の組織や耐食性について学術的な成果をまとめ、ステンレス鋼の発明の土台となりました。

1910年代には、ステンレス鋼が発明実用化され、ステンレス鋼は金属組織別に分類され、オーステナイト系ステンレス鋼は1912年にドイツのベンノ・シュトラウスとエドゥアルト・マウラーによって発明されました。

また、マルテンサイト系ステンレス鋼は、1913年にイギリスのハリー・ブレアリーによって発明されましたが、一般的にステンレスの発明者としては、このハリー・ブレアリーをあげることが多いです。

高強度ステンレスブマックスの用途

高強度ステンレスbumaxは、もともとヨットメーカーや潜水艦メーカーからの要望によって作られていますから、主にヨットや潜水艦など海洋環境下での用途に用いられています。

高強度ステンレスブマックスの規格

高強度ステンレスbumaxは、オーステナイト鋼SUS316L材を使用し、熱処理は行わず、加工硬化によって高強度8.8及び10.9を確保しています。

さらに、高強度ステンレスbumaxは強度、耐熱、締結後のバラツキがない高い軸力があることから、ゆるみや疲労破壊を防止できる点でも、他のSUSボルトでは実現できない信頼性のある製品です。

高強度ステンレスbumaxは、日本でもサンコー株式会社から販売していますが、六角穴付きボルト、六角穴付き皿ボルト、スタッドボルト、六角ナットといった製品があります。

それぞれの製品で、国際標準化機構(ISO規格)と日本工業規格(JIS規格)によって定められています。たとえば、高強度ステンレスbumax六角ボルトの製品規格はISO-4014/4017、JISB1180といったもので、ネジ規格は、ISO261/262、JISB0205/B0209です。
 

高強度ステンレスブマックスの強度など優れた特徴

高強度ステンレスブマックス2

高強度ステンレスbumaxは、強度など他の素材にはない優れた特徴がいくつかありますが、それぞれについて以下に解説します。

高強度ステンレスブマックスの特徴①高強度

高強度ステンレスbumaxの強度は、たとえば、一般のステンレスボルトであるJIS規格SUS304の4倍の強度があり、SUS316(A4-70)の2倍の強度があります。

また、SUS304(A2-50)の20ミリ径のボルト設計をbumaxでは10ミリ径に小型化でき、重量比を4分の1まで軽量化しています。

高強度ステンレスbumaxは、ステンレス鋼製品でありながら、市販の鉄製品と同等の強度区分8.8と10.9を有していて、それまで使用してきた太径のボルトに代えて小径のボルトを使用することが可能で、ジョイント設計を小さくすることができます。

それに加え、強度の高いボルトには強度の高いナットや座金の使用が不可欠ですが、高強度ステンレスbumaxは、それらの六角穴付きボルト、六角ナット、平座金を全て標準品として在庫販売している世界で唯一のステンレスファスナーです。
 

高強度ステンレスブマックスの特徴②腐食に強い

高強度ステンレスbumaxは、沿岸地域における10年間の大気暴露で一般のSUSに比べて良好な結果が出ています。また、濃度20%の硫酸腐食試験においてもSUS316と比べると3倍の耐食性が証明されています。

また、海中に露出する船舶での使用でも30年間の耐食性を保証し、他のステンレスボルトを圧倒する耐食性を保証しています。

SUS304やSUS316を上回る優れた耐食性を持つだけでなく、応力腐食割れや孔食、隙間腐食に対しても優れた特性を持っています。
 

高強度ステンレスブマックスの特徴③熱に強い

SUS304やSUS316では400℃まで使用可能ですが、高強度ステンレスbumaxは50%もアップした600℃まで使用することができます。

マルテンサイト系材料を熱処理することで強度を高めたステンレスボルトでは、最高使用温度が高強度ステンレスbumaxの3分の1である200℃に設定していますから、あらゆるステンレスボルトに比べても抜群に耐熱性を発揮できることが分かります。

高強度ステンレスbumaxは、マイナス196℃の環境下においても、鋼ボルトの常温衝撃値規格よりも優れていることが分かっています。
 

高強度ステンレスブマックスの特徴④非磁性

ステンレスの特性には非磁性があります。非磁性とは磁石に付きにくい特性ですが、透磁率が1.000に近いほど非磁性といえます。高強度ステンレスbumaxは非磁率が1.006とかなり高い非磁性を持っています。

たとえば、SUS304の非磁率が1.400ですから、その優れた非磁性が分かります。高強度ステンレスbumaxは、非磁性環境を必要とする各種精密電子機器、コンピューター等に安心して使用できます。
 

高強度ステンレスブマックスの特徴⑤摩擦係数

摩擦係数というのは、その物体と地面の滑りにくさを表していますが、高強度ステンレスbumaxは、その摩擦係数が一般のステンレスと比べて極めて低く仕上げていますから、締め付け作業を行うのに適しています。

摩擦係数は、SUS316の1/3で、トルク係数はSUS304の1/2です。ステンレスボルトによる焼付き発生防止、高軸力締め付けによる緩みと疲労強度タフネスアップさせています。
 

高強度ステンレスブマックスの特徴⑥価格設定

これまでは、耐食性や耐熱性をおとさずに高強度のボルトを使用したい場合は、A286やINCONEL716といったニッケル合金を使用しなければなりませんでした。

また、ニッケル合金を使用する場合、大変高価なため、コスト面でかなりハンディキャップになっていました。

一方、高強度ステンレスbumaxはオーステナイト系で、純度の高いスウェーデン鋼のSUS316Lモディファイ材を使用し、六角ボルト、ナット、ワッシャーをミリ・インチの両方で標準生産し、高性能でありながら小箱単位で在庫販売できます。

Bumaxの製作会社は、ステンレスファスナーを造り始めてから80年の歴史と経験とノウハウを持っていますが、現在ではステンレスファスナーのみに特化して製造する工場で造られています。

そのため、品質保証、トレーサビリティーも完全で信頼性もあります。しかも短納期に対応でき、コストの削減にも大きく貢献しています。
 

高強度ステンレスブマックスの特徴⑦環境に優しい

高強度ステンレスbumaxは、高強度化により軽量化が進んでいるため、省資源、省エネを実現できますから、環境に優しい製品といえます。

また、ボルトの製造過程で熱処理を行わないことから、CO2の削減やクリーンな環境維持に貢献しています。
 

まとめ

今回は、高強度ステンレスbumaxはどんなボルトなのか、その特徴や用途、他のステンレスボルトと違ってどんな点が優れているのかについて紹介しました。
 

  • 高強度ステンレスbumaxとは、スウェーデンステンレスボルト専門工場であるBUFAB社でしか作られていない高強度のステンレスボルトです。
  • 高強度ステンレスbumaxは、もともとヨットメーカーや潜水艦メーカーからの要望によって作られていますから、主にヨットや潜水艦など海洋環境下での用途に用いられています。
  • 高強度ステンレスbumaxは、オーステナイト鋼SUS316L材を使用し、熱処理は行わず、加工硬化によって高強度8.8及び10.9を確保しています。
  • 高強度ステンレスbumaxは強度、耐熱、締結後のバラツキがない高い軸力があることから、ゆるみや疲労破壊を防止できる点でも、他のSUSボルトでは実現できない信頼性のある製品です。
  • 高強度ステンレスbumaxは、高強度、腐食に強い、熱に強い、非磁性、摩擦係数が極めて低い、低価格設定、環境に優しいといった優れた特徴があります。

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