軽天ビスの使い方!下穴の要否/打ち方/規格など

軽天ビスとは、薄い鉄製の下地材にボードなどを取り付けるビスです。仕上げ材の下に隠れることも多く、目にする機会が少ない軽天ビスですが、この記事では軽天ビスの特徴や種類、使い方の他に木ねじとの違いや選ぶ際の注意点などについても解説します。

軽天ビスの使い方!下穴の要否/打ち方/規格などのイメージ

目次

  1. 1軽天ビスとは
  2. 2軽天ビスの使い方
  3. 3まとめ

軽天ビスとは


軽天ビスは、天井材や石膏ボードなどの内装用ボード類を、厚さ1mm程度の軽鉄(軽量鉄骨材)やLGS(Light Gauge Steel:ライトゲージスチール)と呼ばれる鉄製の下地材に、下穴なしで取り付けられるビスです。
 

軽天ビスの特徴

軽天ビスはタッピングビスの一種ですが、3つの大きな特徴を持っています。
 
【二条ねじ】
ねじ部に狭い間隔で2本のねじ山がきられています。これにより、薄い下地材に対しても取り付け強度が保てます。
 
【鋭利な先端】
ビスの先端が鋭くとがっています。これにより取り付けるボード類などへの食い込みが良く、石膏ボード(プラスターボード)の場合は表面の紙層を必要以上に破らず、また、下地の鋼材を貫通しやすくなります。
 
【仕上げを意識した頭部形状】
軽天ビスの頭部形状は皿頭、ナベ頭、ナベ頭にワッシャーを取り付けたような形状のシンワッシャーの3種類に大別されます。
 
皿頭はさらにラッパとフレキに分けられ、多くの場合にこの2種類は仕上げ材(塗装やビニールクロスなど)の下に隠れますので、取り付けたボード類の表面より突出(飛び出て)していると不陸(表面の凹凸)になって、きれいに仕上がりません。
 
一般的には皿頭の軽天ビスは取り付けたボード類の表面より頭部を少しだけ沈め、その部分をパテで埋める方法が用いられますので、ボード類の特性に合わせてラッパとフレキを使い分けることで、頭部を沈めやすく、そして取り付け強度が保てます。
 
ラッパはその名の通り頭部の逆円錐部がラッパのように緩やかにカーブしています。これが石膏ボードなどの柔らかい材質に頭部が沈みやすく、沈め過ぎを防止します。
 
フレキは頭部の逆円錐部に突起があります。これがキリの役割をして、フレキ板、ケイカル板、合板などの堅い材質を削って頭部を沈める構造になっています。
 
また、皿頭には頭部表面を白く塗装したものもあります。これは白色系の化粧仕上げ材などを取り付けた場合に、ねじ頭部を目立たなくするために使用されます。

軽天ビスの用途

軽天ビスは、コンクリート造などの建物の内装工事で、間仕切りや壁、天井を設置する場合に使用される天井ライナー、間仕切りスタッドなどの厚さ1mm以下の軽量鋼板下地に、石膏ボードやフレキ板などのボード類を下穴無しで取り付ける場合に使用されます。
 
また多くの場合、なベ頭とシンワッシャーは仕上げ材の外部に露出する前提で使用されます。

軽天ビスの規格

軽天ビスには頭部形状、太さ、長さの規格があります。

頭部形状は先に触れました4種類(皿頭ラッパ、皿頭フレキ、なべ頭、シンワッシャー)です。

太さは3.0mmから4.8mmまであり、3.5mmが最も多く使われます。また、長さは20mmから100mmまでが多く、取り付けるボード類の厚みと、下地材を貫通して何mm突き出すかによって選ばれます。
 
軽天ビスの材質にはステンレスと鉄があり、ステンレスの多くはSUS410製で、鉄の場合はユニクロームメッキされているものがほとんどですが、ラスパートと呼ばれる表面処理が施されたものもあります。
 
ラスパート処理された軽天ビスは薬品耐性に優れており、ボード類に含まれる薬品や塩害によるサビ、腐食が軽減されます。

軽天ビスの使い方

軽天ビスの使い方や木ねじとの違い、注意点などを解説します。

軽天ビスと木ねじの違い

軽天ビスと木ねじとの大きな違いはねじピッチ(幅)と先端の形状です。ねじピッチが広い木ねじでは薄い下地材をしっかりと保持できませんし、柔らかい木材にねじ込む木ねじの先端は、軽天ビスに比べて鋭利ではありません。
 
下地材に合わせて選ぶ必要がありますが、木ねじは木製下地材でしか使用できませんが、一般的に軽天ビスは薄い鉄製下地材はもちろん、木製下地材にも使用できます。

軽天ビスに下穴は必要?

軽天ビスは貫通性が高い構造になっていますので、規格内の厚みや硬さの下地材やボード類であれば、一般的に下穴は不要です。

軽天ビスの打ち方

軽天ビスの打ち方として、一般的に壁面へ3x6(さぶろくと読み、短辺が3尺、長辺が6尺の意味)の石膏ボードを取り付ける場合には、縦横150~200mm程度の間隔で軽天ビスをねじ込みます。

建物の規模にもよりますが、数千から1万本を超える軽天ビスが使われることも珍しくありませんので、ほとんどの場合は電動ドライバーを使用してねじ込みます。

軽天ビスの使用上の注意

軽天ビスを使用する場合は、まずビスの長さに注意が必要です。軽天ビスは下地材を貫通させて突き出させなければならず、この突き出す長さはビスの太さによって決められています。
 

  • ビス径が3.0mmの場合は8mm
  • ビス径が3.5〜4.2mmの場合は10mm
  • ビス径が4.8mmの場合は12mm

この長さに、取り付けるボード類の厚みを足した数値以上の長さの軽天ビスが必要です。

次に使い方にも注意が必要です。軽天ビスはボード類を下地材へ取り付けるためのビスですので、下地材同士やボード類同士の組付けや締結など、本来の用途以外では強度が保てません。
使用の際には十分にご注意ください。

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まとめ

この記事では軽天ビスの特徴や用途、規格や打ち方、注意点などを解説しました。DIYでは使用する機会が多くない軽天ビスですが、もし使用の際にはそれぞれの特性を理解し、十分に検討されることをおすすめします。

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