螺子(らし)とは?ねじのことわざ・読み方・慣用句の豆知識

螺子は「ねじ」と読みます。螺子の「螺」は「にし」「にな」「つぶ」などと読み、螺旋状のものをいいます。螺子はねじや釘ねじのことを指し、物を締め付けて固定したりするために使う機械部品です。今回は、螺子の由来や種類、「ネジを巻く」などのことわざなどを紹介します。

螺子(らし)とは?ねじのことわざ・読み方・慣用句の豆知識のイメージ

目次

  1. 1螺子の読み方や意味は?
  2. 2螺子のことわざ・慣用句
  3. 3まとめ

螺子の読み方や意味は?

螺子は「らし」と書きますが螺子はネジのことを意味します。螺子と書いてネジと読みます。螺子の「螺」は、螺旋階段の「螺」で、「螺」は音読みで「ラ」、訓読みで「にし」「にな」「つぶ」「ほらがい」などと読みます。

「螺」は「にな」などの巻き貝の意味であり、螺旋状のものをいいます。
 

螺子(らし)とは

螺子はネジや釘ネジのことを指します。螺子は物を締め付けて固定したりするために使う機械部品です。

ネジは、螺旋状であることから、漢字では「螺子」と書いたり、「捩じる・捻じる」から「捩子」や「捻子」と表記されることもあります。

JISでは螺子は『ねじ』が正式な呼称となっています。また、『ねじ』は動詞の『捩ず』の連用形で『ねじ』の他に『ねぢ』と表記されることもあります。

ネジと同様の名称に『ボルト』がありますが、『ボルト』は一般にナットと組んで使われるおねじ部品の総称で、『ナット』はめねじ部分の総称です。

また、ビスという名称はぶどうの蔓を意味するラテン語のvitisがフランス語でねじを表すviseになったもので、『小ねじ』とほぼ同義語です。
 

螺子の意味

円柱の側面に螺旋状に一本、または数本の溝を刻んだ雄ネジと、それが丁度嵌るように円筒状の穴の内側に溝を刻んだ雌ネジとがあります。

円錐の側面に溝を刻んだものもあります。また、時計などのぜんまいを巻く装置のことやそのぜんまいのことをネジと呼びます。
 

螺子の由来

ネジの起源は明確ではありませんが、歴史の専門家によると、アルキタスが発明したという説と、ペルガのアポロニウスが発明したという説があります。ギリシャの学者であるエウスタシウスはアルキメデスが発明したと主張しています。

実際、円筒状の筒の中に大きなネジを入れた揚水用のアルキメディアン・スクープシューはアルキメデスの発明だといわれています。そのアルキメディアン・スクープシューは、最初に螺旋構造を機械に利用した例だとされています。

水ネジは古代、灌漑や船底の水の汲み上げや、鉱山に溜まった水を排水するときなどに使われ、労力を使わずに効率的に水を揚水することができました。また、ネジは中国で独自に生み出されなかった唯一の重要な機械装置だともいわれています。

ギリシャ時代にはすでに機械として使用されていたことが分かっていて、たとえば、西洋では木の棒で作られたネジを利用してオリーブやブドウなどの果汁を搾る圧縮機として使われていました。

ルネッサンス期である1500年頃には、レオナルド・ダ・ビンチによって、ネジ部品を使った機械装置が作られ、締結用のネジ部品の利用が拡大しました。実際に作られたかは不明ですが、レオナルド・ダ・ビンチによる、ねじ切り盤やタップ、ダイスのスケッチが存在します。

16世紀半ばには、ネジはさまざまな場面で使われるようになり、腕時計用の小さなネジや、銃に使われる大きなネジ、甲冑用のボルトなどにネジが使われるようになりました。

それまでは、ネジの作成には原始的な旋盤が使われていましたが、1760年のミッドランド地方のジョブとウイリアムスのワイアット兄弟は手で刃を動かしてネジを切る代わりに、カッターで自動的にネジを切れる画期的な製造法を発明しました。

ワイアット兄弟は、鉄製のネジを効率的に作る方法で特許を取り、世界初のネジ工場を作ったのはいいのですが、事業は失敗に終わっています。その後は、新しい工場の持ち主が事業化に成功し、蒸気機関車の活用などで改善をへて、船や家具、自動車、高級家具などの需要の高まりとともに大量のネジが製作されるようになりました。

その後、ロンドンで精密機械を作っていたジェシー・ラムスデンは、航海用の精密機械の精度を上げるため、より精密な旋盤を作るプロジェクトを始めました。まず木製の旋盤に代わって金属製の旋盤を作成し、カッターの先端にダイヤモンドを使用して11年かけて旋盤の部品を作っています。

それを使ってさらに精密な旋盤を作り上げ、旋盤を次第に精密化していくことで、最終的には千分の4インチという精度のネジを作りました。ジェシー・ラムスデンが作った高精度のネジは顕微鏡や天文学といった科学分野で活用され、船の径度と緯度を300mの誤差で割り出せる航海用観測機器が誕生しました。そのことで、キャプテン・クックなどの航海上の異業がなされることになりました。

量産方法を追求したワイアット兄弟と、精密さを追求したラムスデンは同じ時期に活躍していますが、両者の業績を統合したのは英国のヘンリー・モーズリーでした。

モーズリーは、フランス人のマーク・イザムバード・ブルネルと組んでポーツマスに世界初の自動化された工場を作っています。この工場では、10名の工員が44台の機械を使って、年間16万個の滑車を製作していました。
 

日本でのネジの歴史

日本のネジの歴史は、1543年にポルトガル人が所有していた火縄銃とともにネジが伝来されたとされ、それ以前には日本でネジが使われていた証拠は残っていません。この時に藩命で銃を模造しようとした刀鍛冶の八板金兵衛は、自分の娘をポルトガル人に嫁がせてまで、ネジの作成法を習得したという伝説まで残っています。

また、その時の銃の銃身の後ろを塞ぐ尾栓に使用されていた雄ネジと雌ネジが日本で初めて登場し、やがて火縄銃を模した時に作られたネジが日本で作られた初めてのネジだというのが定説になっています。

日本を含めた東洋では、ネジの構造を独自に発見したり、発明することができませんでした。江戸時代はネジのない文化だとされ、ネジ製作のための優れた工作機械や工具がなかったことから、ネジを作ることが大変困難でした。
 

螺子の他の漢字

螺子の他に「螺」のつく漢字には、「田螺」や「栄螺」といったものがありますが、「田螺」はタニシと読み、「栄螺」はサザエと読みます。

螺子のことわざ・慣用句

日本には、螺子を用いたことわざや慣用句が多くありますが、その中の一部を紹介します。

①ネジを巻く

ネジを巻くということわざは、だらしない態度や行動に対し、叱ったり励ましたりするときに使う言葉です。「たるんでいるからネジを巻いてやろう」というように使います。

 

②螺子が緩む

ネジが緩む(ねじがゆるむ)という言葉は、緊張が緩んでだらしない状態をさします。たるんでいる(ゆるんでいる)様子をネジが緩んでいる事にたとえています。

③田螺長者

田螺長者とは、日本のお伽噺のひとつで、別名を「田螺息子」といいます。あらすじは、子供のいない老夫婦が子供がほしくて、村外れの観音様にお祈りすると、老婆に子供が授かりました。

しかし、生まれた子供は人間ではなく田螺でした。それでも老夫婦は観音様からの授かりものとして、大切に育てました。ある日、息子の田螺はふとしたきっかけで、馬の耳元に囁くことで自在に馬を操る才能に目覚め、以後は馬による荷運びを手伝うようになり、村で評判となりました。

村の庄屋は、田螺の出自を知ると、観音様のご利益にあやかりたいと思い、自分の娘と田螺を夫婦にしました。信心深い娘は、田螺との結婚を嫌がらず、円満に暮らすようになりました。

その後、夏祭りの日に夫婦で観音様にお参りに行った帰りに、田螺は烏に襲われ、その弾みに殻が割れて中から本物の人間の男が現れました。それからは夫婦は老夫婦と共に末永く幸せに暮らしたそうです。
 

④螺旋階段

螺旋階段は、階段の中でも回転形のものを指し、上部からみると円形になっていて、中心の柱の周りを回転しながら上昇または下降する構造の階段をいいます。

現代建築で多く取り入れられていて、デザイン性に優れ、しかも機能的であることから人気になっています。素材は、金属、木材、コンクリートなどさまざまあります。高速道路の非常階段にも多く用いられています。
 

⑤法螺吹き

法螺貝は、山伏が山中での連絡や獣除けに使ったり、軍陣が進退の合図として使っていました。見た目よりも大きな音が出るため、予想外に大儲けすることを「ほら」と言うようになり、さらに大げさなことを言うことを「法螺を吹く」と言い、そのような人のことを「法螺吹き」と呼ぶようになりました。

⑥法螺男爵

冒険心に富んだ法螺好きのミュンヒハウゼン男爵という実在の人物の体験談から生まれた冒険譚の主人公です。1785年、ドイツ人のラスペが民間伝承の17編を集成し英語で出版、翌年にビュルガーが13編を加え、ドイツ語で出版し、嘘物語の古典的名著となりました。

⑦田螺金魚

江戸時代中期の洒落本の作者で、江戸神田の町医者の息子で、安永年間に人々の交際や風俗などを描いた洒落本を多く出版しています。生没年は不明です。

主な著書には、1777年の「妓者呼子烏」、1778年の「契情買虎の巻」、「一事千金」「十八大通百手枕」があります。
 

まとめ

まとめ

螺子は、ねじや釘ねじのことを指し、物を締め付けて固定したりするために使う機械部品です。螺子とはどのように読むのか?螺子の由来や歴史、そして螺子に関することわざなどをまとめました。

  • 螺子は「らし」と書きますが、螺子と書いてネジと読みます。
  • 螺子はネジや釘ネジのことを指します。
  • ネジの起源は明確ではありませんが、ギリシャの学者であるエウスタシウスはアルキメデスが発明したと主張しています。
  • 螺子の他に「螺」のつく漢字には、「田螺」や「栄螺」といったものがあります。
  • 螺子のことわざ・慣用句には、ネジを巻く、螺子が緩む、田螺長者といったものがあります。

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