2020年09月26日公開
2020年10月30日更新
蝶ボルトの規格/特徴/用途【基礎知識】
蝶ボルトは取手部分が特徴的なおねじです。取手部分の羽根が蝶の形状をしています。蝶ボルトは照明器具や看板などに使われており、蝶ナットと同様に頻繁に手でねじを緩める必要がある場所に適しています。ここでは蝶ボルトの特徴、用途、規格など基礎的なことを解説します。

蝶ボルトとは
ボルトは多くの種類がありますが、中には頭の形が変わったものもあります。その中でも蝶ボルトは、頭が蝶々に似た形をしています。英語では取手部分を翼に見立て「ウイングボルト」と呼ばれています。ほかに、蝶ねじなどとも呼ばれています。
蝶ボルトの特徴や、用途についてご紹介します。
蝶ボルトの特徴
蝶ボルトの最大の特徴は工具を使うことなく、緩めることができることです。
小ねじ類、ボルト類の多くは工具を使って締めたり緩めたりします。そのため、頻繁にネジを緩める必要がある場合には毎回工具が必要となります。蝶ボルトは手指で緩めることができるので、頻繁に緩める必要のある器具や看板などに多く使われています。
蝶ボルトはおねじですが、同じように取手のついたナットに蝶ナットがあります。蝶ナットはめねじになります。
蝶ボルトの用途や役目
蝶ボルトは、見た目が武骨なネジのため、機能性が重視される場所に多く使用されます。外観を重視する器具などの場所には、他の樹脂製のつまみネジが使われることもあります。しかし、強度を求める場合には蝶ボルトの方が向いているといえます。
蝶ボルトが使われている物
蝶ボルトは、カバー類の取付、開け閉めの頻度が高い場所によく使われています。道具を使わずに蓋を開け閉めしたい場合に多用されています。
蝶ボルトの種類とサイズ
蝶ボルトの種類やサイズについてご紹介します。
蝶ボルトの種類
蝶ボルトは大きく分けると3種の規格があります。1種、2種は取手部分が重工かつ高級感のあるもので、価格も比較的高いものが多く、重量もあります。3種は比較的安価で販売されており、重さも軽量なものとなります。
流通量は2種と3種が比較的多いです。
- 1種・・・取手部分が円弧状で、加工方法は鋳造加工、冷間加工などがあります。
- 2種・・・取手部分が角状で、加工方法は1種と同様です。羽根の幅によってRタイプ(小形)とHタイプ(大形)の2種類があります。
- 3種・・・取手部分が板状になっており、価格は比較的安価です。
蝶ボルトのサイズ
蝶ボルトの代表的なサイズは以下のようになります。
一般的に流通しているものは以下のサイズ以外にもあり、また、JISやISO規格とは異なる場合もあります。一般頻の蝶ボルトは、材質、表面処理、ネジの種類、ネジ部の呼び径、ネジ部の長さで表現されるものが多いです。
- 蝶ボルト1種
ねじの呼び径(d) M4 M5 M6 M8 M10 M12 M16 M20 翼の幅(D) 20 25 32 40 50 60 70 90 翼の高さ(H) 10 12 16 20 25 30 35 45 座面の径(A) 7.0 8.5 10.5 14.0 18.0 22.0 26.0 34.0 呼び長さ(I) 10-50 10-60 10-80 12-100 15-90 20-100 25-100 40-100 - 蝶ボルト2種
ねじの呼び径(d) M3 M4 M5 M6 M8 M10 翼の幅(D) 17 21 21 27 31 36 翼の高さ(H) 9 11 11 13 16 18 座面の径(A) 6.5 8.0 8.0 10.0 13.0 16.0 呼び長さ(I) 6-20 8-30 8-30 10-100 15-100 15-100 - 蝶ボルト3種
ねじの呼び径(d) M4 M5 M6 M8 M10 M12 翼の幅(D) 20 22 25 32 41 47 翼の高さ(H) 9.0 9.6 12.0 15.3 19.3 23.0 座面の径(A) 7.2 10.0 12.0 15.0 18.0 20.0 呼び長さ(I) 8-35 8-35 10-40 12-50 20-30 25-50
蝶ボルトの規格
代表的な蝶ボルトの規格は以下のようになります。
- 1種
ねじ径 A B C D H G1 G2 M6 12 10 8 32 16 2.7 3 M8 15 12 11 40 20 3.5 5.7 M10 19 15.5 12.5 50 25 4 6
- 2種冷間蝶ボルト H=大形
ねじ径 A B C D H G1 G2 M5 11 8.5 7 27 13 3 4 M6 12 11 7.5 31 16 3.5 5 M8 15 12.5 9 36 18 4 6 - 2種冷間蝶ボルト R=小形
ねじ径 A B C D H G1 G2 M3 7.5 5 3.5 17 9 2 2.5 M4 9 6.7 5.5 21 11 3 4 M5 9 6.7 5.5 21 11 3 4 M6 12 8.5 7 27 13 3 4 M8 15 11 7.5 31 16 3.5 5 M10 16 12.5 9 36 18 4 6
蝶ボルトをお探しなら、ツルタボルトがおすすめ!
蝶ボルトをお探しなら、新潟県内に本社があり豊富な種類のねじに対応している「ツルタボルト株式会社」がおすすめです。
燕三条で培った技術と経験を持つツルタボルトは、特殊オーダー品も迅速かつ、低コストで対応することが可能です。
ネジ類、ボルト類だけではなく、工具や機械など常時30,000点を超える在庫数で最適な製品を提案してくれます。
蝶ボルトを始め、ねじでお困りの際は、一度ツルタボルトへ相談してみると良いでしょう。
まとめ
蝶ボルトについて、蝶ボルトとはどんなネジか、用途や種類、サイズなどを紹介しました。
- 蝶ボルトは別名として、ウイングボルト、蝶ねじなどとも呼ばれている。
- 蝶ボルトは頭部に蝶のような形をした取手があり、工具を必要とせず手で締結することが可能である。
- 見た目が武骨なネジのため、機能性が重視される場所に多く使用される。
- 蝶ボルトは大きく分けると3種の規格がある。