2020年04月22日公開
2020年10月26日更新
木ねじ|タッピングビスとの違いや下穴の開け方
木ねじとは、名前のとおり木材に使われるねじで、木材に入り込んで固く締め付けて締結させるネジのことです。木ねじの長さや種類、タッピングビスとの違いなどを紹介します。また、木ねじを使用する際は下穴を開けるのが一般的ですが、その下穴の開け方などを解説します。

木ねじとは?
木ねじ(もくねじ)とは、名前のとおり木材に使われるねじで、木材に入り込んで固く締め付けて締結させるネジのことです。一般的に全長の3分の2くらいがネジ部になっていて、残りは円筒になっているのが特徴です。
木ねじは、重いものを持ち上げたり、しっかり固定する時など強度の必要なものを作る場合に使用されます。DIYなどで木材同士を組み立てるときに「ねじ」か「釘」かで悩むこともありますが、釘の場合は手軽に打ち込めますが、簡単に抜けてしまうという性質があります。
一方木ねじは、締めた後は簡単には緩まず、抜く場合はドライバーなどで簡単に外すことができますから、現在は木ねじを使用することが多くなっています。
また、木ねじはネジの先端が尖っていてナットや雌ネジを必要としません。頭部穴には十字穴(通常プラスドライバーを使用)とすりわり(通常マイナスドライバーを使用)がありますが、現在では十字穴が使用されているのがほとんどです。
木ねじの特徴
木ねじは締め付けるほど木材の中に入っていきますから、力加減に注意が必要です。挟み込んだ木材にねじ山がかからないので、密着して締め付ける力が増し、戻り止めやガタツキを防止しています。
樹脂や金属にも使えるタッピングねじを使用することで、木ねじの代用にすることは可能ですが、その逆はできません。
木ねじの形状
木ねじの形状は、全長の3分の2くらいがネジ部になっていて、頭部の形状は丸頭、皿頭、丸皿頭などがありますが、一般的には皿頭と丸頭が多く使われています。皿頭と丸頭についてそれぞれ説明します。
皿頭
木ねじでは最も多く使われている頭部形状で、木ねじ頭部を部材に埋め込むようにして使用します。下穴以外に頭部を木材に埋め込むように加工するのが理想です。
丸頭
小ねじやタッピングネジでいうナベ頭に近い形状です。表側の木材が薄い場合に使われ、ワッシャー(座金)を使用することでしっかりと締めることができます。
木ねじは、サイズが豊富にありますが、それだけにサイズ選びに迷ってしまうこともあるでしょう。太さに関しては何となく分かるとしても、長さの選定はどうしたらいいのか迷うこともあります。
長さを選ぶ時の基準としては、木ねじの長さ=部材の厚さ+20mm以上です。たとえば、5mmの厚さの物を取り付けるときは25mm以上の長さのものを選びます。これは、最低限のビスの強度を保つための最小の長さということです。
たとえば、25mmの厚さのものを取り付ける場合、ねじ込みの深さを20mmではやはり不安です。相手の木材の厚さに余裕がある場合は、取り付けるものの厚さの2倍程度のねじ込み深さを確保するのがおすすめです。
木ねじの用途
木ねじは文字通り木材を締結させるために使用されるネジです。木ねじは形状がタッピングネジに似ていますが、締結強度はタッピングネジと比べると劣るため、金属などを締結することはできません。
木材同士を止めるための道具には木ねじの他に「釘」がありますが、木ねじはドライバーを使用することで、簡単に外すことができます。
また、木ねじは釘に比べてしっかりと木材を締結することができますから、箱型の形状を作る場合や、長期間一定の重量を支えなければならない場合などに効果的です。
木ねじは、釘よりも太い場合があり、硬い材質の締結を行う場合は、下穴を開けないと木材が割れてしまうこともあります。締め付けすぎることで、木ねじが木材の中に入り込んでしまうので注意が必要です。
木ねじの種類
木ねじの種類には頭部穴が十字(+)になっている十字穴付き木ねじと、頭部穴がすりわり(-)になっているすりわり付き木ねじがあります。また、頭部の形状の違いとして、丸頭、皿頭、丸皿頭などがあります。
木ねじの一般的な種類として、コーススレッド、スリムビス、ミニビスといったものがあります。現在主流になっている木ねじはコーススレッドで、一般の木ねじよりもピッチが荒く、締結力が強いという特徴があります。
コーススレッドは、長くて太い種類のものが多く、インパクトドライバーを使って締め込む場合、下穴をあける必要がありません。また、値段が安いため、建築現場でよく使われています。
スリムビスは、コーススレッドよりもさらに木割れしにくく工夫されている木ねじです。全体的に細く、ねじが浅くピッチが細かくなっています。先端から中ほどまで、縦に切り込みが入っていて錐の役目をしているのが特徴で、下穴を開けなくてもきれいに仕上げることができます。
ミニビスは、建築内装用で使われるビスで、釘のように細くネジ頭も小さいので締結後に目立ちにくいのが特徴です。
木ねじには先端から頭まで全てネジ状になっている全ねじタイプと、ネジの部分が全体の半分ほどの半ねじタイプがあります。
一般的には半ねじタイプのコーススレッドが使われていて、半ねじタイプの方が部材の接着度が良く、離れにくいという特性があります。
厚いものを固定する場合、全ねじタイプだと、木ねじが取付物を貫通して相手材に木ねじが到達する際に抵抗が増えます。そのことで取付物が浮き上がって隙間があくことがあります。
また、全ねじタイプだと、どこまでいっても両方にねじが効いた状態となって、いつまでも相手材は逃げてしまいます。その結果、取付物は追いかけることになり、その差は縮まらないということが起きます。
一方半ねじタイプは、一定の場所まで締めると取付物に対して、ネジが効かなくなりますから、それによって相手材に対してすんなりと引き付けられます。
そういった特性から、一般的には半ねじタイプの木ねじが使用されることが多くなっています。特に厚い取付物を固定する場合は半ねじタイプの方が使いやすいでしょう。
木ねじの素材と特徴
木ねじには主に以下の3種類の素材がありますが、それぞれについて解説します。
① ステンレス製
② 鉄製
③ 真鍮製
ステンレス製
錆びにくく高い強度を持っていますが、熱によりねじ切れる場合があります。
鉄製
安価ですが錆が生じます。メッキの種類によって色や耐食性が変わります。
真鍮製
色は金色で柔らかく、小さいネジに使用します。
木ねじとタッピングビスの違い
木ねじとタッピングビスとの違いは、木ねじは木材に対して使用するもので、タッピングビスは木材以外の材料に対して使用することです。
また、木ネジの外見としてタッピングビスと決定的に違うところは、ネジ部がない部分があることです。
木ねじ使い方
最近の木工DIYでは、一般的に丸釘はほとんど使用されなくなりました。代わりに使われるようになったのが、コーススレッドやスリムネジと言われる木ねじです。
これは、電動ドリルドライバーやインパクトドライバーの爆発的な普及によって、広まったこともあります。いずれもねじ山にしっかりと嵌め、垂直に力をいれていけば女性でも簡単にネジ締めができます。
また、万が一失敗しても逆回転ができるので簡単に締結しなおすことができ、丸釘のように釘抜きを使って引き抜いて、木の表面を傷つけることもありません。
電動ドリルドライバーのチャックにドライバービットを付けるか、通常のプラスドライバーを使って締め付けていきます。使用するネジの長さは、ネジ頭部側の板厚のおよそ3倍のものがベストになります。
木ねじの下穴の開け方
木材に直接木ねじを締め込むと、木が割れてしまったり、ネジが斜めに入ってしまう可能性がありますから、基本的に木ねじはタッピングねじと同じように、下穴を開けてから締め込んでいきます。
下穴を開ける際は、木ねじの太さの70%ほどの程の太さの穴を目安にしてきりやドリルを用いて穴を開けます。下穴が大きすぎると、ネジが効かなくなるため注意が必要です。
下穴を開ける際に便利なのが皿取錐です。ビスを打ったら木ねじの頭の部分が木材よりも表面に出ないようにする必要があります。
そのために、電動ドライバーにドライバービットの一つである皿取錐を使用します。チャックに皿取錐を付けて、それで下穴を開けると下穴と一緒に皿取りもできますからとても便利です。
また、下穴を深めにして、木ねじを締め込んでから埋木をし、ネジ頭を隠すといったテクニックもあります。
皿取錐以外の下穴開けには、三つ目錐などの錐類を使うこともあります。また、電動ドリルドライバーの補助具としてドリルスタンドがありますから、うまく組み合わせてスムーズにできる方法を選びましょう。
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まとめ
木ねじは文字通り木材を締結させるために使用されるネジですが、その用途や種類、使い方、タッピングビスの違いなどを紹介しました。
- 木ねじとは、木材に使われるねじで、木材に入り込んで固く締め付けて締結させるネジのことです。
- 木ねじの特徴は、締め付けるほど木材の中に入っていきますから、力加減に注意が必要です。
- 木ねじの形状は、全長の3分の2くらいがネジ部になっています。
- 木ねじの一般的な種類として、コーススレッド、スリムビス、ミニビスといったものがあります。
- 木ねじとタッピングビスとの違いは、木ねじは木材に対して使用するもので、タッピングビスは木材以外の材料に対して使用することです。