2020年02月27日公開
2020年10月26日更新
座金とは?役割や特徴について解説
留められているねじの内側には、ドーナツ型で板状の部品が挟んであることがあります。それが、座金という部品です。座金は英語ではワッシャーとも呼ばれ、多くのサイズや種類が存在しています。今回の記事では、座金の役割や種類、違いについて、詳しく解説していきます。

座金とは
座金とは、ねじやボルトを締める際に、部材とねじの間に挟む板状の部品のことを指します。この座金は、ねじやボルトと併せて締結作業に使われることが非常に多い部品です。座金には、大きく分けて「平座金」と「ばね座金」の2種類があり、そのサイズは旧JIS規格と新JIS規格とも呼ばれているISO規格で定められています。
この規格で定められているサイズ以外の物もあるので、座金には多くの種類が存在しています。また、英語では平座金をワッシャー、またはプレーンワッシャー、ばね座金をスプリングワッシャーと呼び、日本でも英語での呼び名を使うことがあります。
ちなみに、この座金を元からねじと組み付けている物が、アプセットセムスというねじです。このアプセットセムスは、通常の座金と組み合わせた場合と同じ効果が期待できます。また、アプセットセムスに組み込んである座金は、平座金だけの物や平座金とばね座金の両方が組み込んである物など、いくつか種類があります。
アプセットセムスに使われる素材は、鉄などの他に、真鍮にクロームを塗装したり、真鍮にニッケルを塗装したりと、真鍮素材をベースに別の金属でコーティングした素材も多く使われています。
座金の特徴
座金の形状としては、2種類ともねじを通して使うので、中心に穴が開いたドーナツのような形をしています。日常生活で目にすることが多い座金は、金属で出来ている物かもしれません。しかし、平座金の素材は金属だけでなく、シリコン製やプラスチック製など非金属素材の座金もあります。
座金の寸法
先ほど、座金の寸法は旧JIS規格とISO規格(新JIS規格)で定められていると説明しましたが、規定されている物だけでもたくさんの種類があります。例えば、平座金で説明すると、ネジの頭部分の大きさに対して少し大きい程度の小形と呼ばれるサイズの物から、ねじの頭が小さく見えるほど大きい特大形と呼ばれる物まであります。
つまり、同じネジの外径でも使える座金は1つではなく、状況に応じて選ぶことが出来るのです。
座金の種類と役割
先述の通り、座金には大きく分けて2つの種類があります。ここからは、それぞれの種類の特徴や違い、役割について解説していきますので、選定の際の参考にしてみてください。
平座金
ドーナツ型で平らな形の座金のことを指し、平座金や英語のワッシャーという呼び方以外に平ワッシャーや丸ワッシャーと呼ばれることもあります。座金やワッシャーというと、この平座金をイメージする人が多いのではないでしょうか。
座金の寸法の項目でも話に出ましたが、平座金は1つのねじの太さに対しても、使用出来る種類がいくつもあります。その中でも、特に使われることが多いのが、別名小ワッシャーとも呼ばれる小形丸と、別名大ワッシャーと呼ばれるみがき丸です。
また、この平座金には、角の丸みが取れている面と角が立ったままの面があります。どちらを部材側にするか決まりはありませんが、角が立っている面を部材側にした方がしっかりと締め付けが出来ます。ただし、締め付けによって部材に傷が付く可能性があるので、素材や状況によって、部材側にする面を決めると良いでしょう。
平座金の役割
平座金の代表的な役割は、2つあります。まず、1つ目は、部材の陥没を防ぐことにより、ねじの緩みを防止することです。平座金を使用しなかった場合、ねじを締める際に発生する軸力という力がねじ穴付近に集中するので、部材の陥没に繋がります。
その結果、ねじを締めても少しずつ緩んでしまうことになるのです。そこで、平座金を間に挟み、部材に接する表面積を大きくすると、部材にかかる軸力が分散し部材の陥没を防げるので、ねじが緩んでしまうリスクを減らすことが出来ます。
そして、平座金のもう1つの役割は、部材を傷付けないようにすることです。平座金を使わずにねじを直接締めると、部材の材質によっては傷が付き、その傷から錆びなどの劣化に繋がることがあります。その点、平座金を間に挟むと、緩衝材の役目を果たし、部材が傷付かないよう守ってくれます。
この2点以外にも、平座金には、ねじ穴を隠したり、大きなねじ穴からねじが抜け落ちることを防止したりと、様々な役割があるのです。また、樹脂などの非金属製の平座金には、気密性を高める、防水するなどの役割も期待できます。
ばね座金
ばね座金も、中心に穴が開いた形状をしていますが、平座金との大きな違いは、切れ目が入っていて、平らではなく少しねじれがあることです。このばね座金にも種類がありますが、最も多く使用されている代表的な物は2号という種類のばね座金で、一般的な2号に比べ、重荷重用とされている3号もよく使われます。
また、ばね座金は、単体で使う以外に平座金と一緒に使用するケースもあり、その場合には、平座金を部材側にして締結するのが一般的です。
ばね座金の役割
ばね座金にも役割が2つあります。1つは、ねじの緩みを防止することですが、平座金の緩み防止とは違い、部材の陥没を防ぐわけではありません。通常、ばね座金を使わずねじだけで締結していると、時間の経過と共に緩んで来てしまうことがあります。しかし、ばね座金を使って締結すると、ばね座金が部材に食い込むので、緩みを防止することが出来るのです。
また、ねじだけの場合や平座金を用いて締結した際には、ねじが緩んでしまったら、そのまま落ちて紛失してしまうことがあります。ばね座金はねじれがある形状で、締結時はねじれを抑えつけた状態になっているので、ばね座金を使っていれば、万が一ねじが外れた際にも、ばね座金の反発力でねじが落ちてしまうのを防ぐことが出来ます。
これが、ばね座金のもう1つの役割です。
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まとめ
- 座金とは、ねじと部材の間に挟む部品のことを指す。
- 座金には大きく分けて「平座金」と「ばね座金」の2種類がある。
- 元からねじに座金が組み込まれたアプセットセムスというねじには、真鍮に金属を塗装した素材も多く使われている。
- 平座金には、部材の陥没を防ぐことで緩みを防止する役割と、部材が傷付かないよう保護する役割がある。
- ばね座金には、ねじの緩みを防止する役割と、外れたねじが落ちるのを防ぐ役割がある。