平行キーとは?規格・材質・抜き方

平行キーには、ねじ用穴なしのものと、ねじ用穴付きのものの2種類があります。平行キーは、シャフトの回転をギヤに効率よく伝える重要な役割があり、とてもシンプルな構造で簡単に分解できます。平行キーの材質や抜き方、そして平行キーの規格などについて紹介します。

平行キーとは?規格・材質・抜き方のイメージ

目次

  1. 1平行キーとは?
  2. 2平行キーの抜き方
  3. 3ねじのことでお困りならツルタボルトがおすすめ!
  4. 4まとめ

平行キーとは?

キー(key)というのは、軸と回転体を滑らないように固定させるためのもので、軸からの動力を他の機械要素(歯車等)へ効果的に伝えることができます。軸と回転体は、このキーで回転方向の力を受けていて簡単に分解することができます。

キーはとてもシンプルな部品で、簡単な四角棒鋼です。別名をマシンキーとも呼ばれ、一般的なキーのイメージである住宅のキー(鍵)とは全く違うものです。また、キーを差し込む穴をキー溝といいます。

キーの大きさは、軸の太さによって決まりますが、これはキーと軸の関係がJISB1301によって決められていているため、軸の太さが決まれば自動的にキーの大きさも決まるということです。キーが受ける力は、材料の剪断応力によって変化します。

ちなみに剪断応力とは、ハサミで切る時のようなねじり切る切り方で、剪断する時にその力に抵抗し、押し返す力のことをいいます。

軸や回転体には、キーをはめ込むキー溝があるものとキー溝がないものがあり、キー溝があるものは、動力伝達用に用いられます。一方キー溝がないものは軽荷重用に用います。また、軸に取り付けられる機械的要素側のことをボスといいます。

キーの形状には、両角形、両丸形、片丸形があります。また、キーの種類には平行キー、平キー、くらキー、滑りキー、こう配キー、半月キーといったものがあります。

沈みキーの形状は大半が平行キーですが、キーだけではどうしても伝達トルクを伝えきれないこともあり、ガタが生じることもあります。その場合は、半月キーや勾配キーを使用します。

また、キーのガタを抑えるために、シャフトをセットネジで2方向から押すこともありますが、その場合通常はキーの上から1ヶ所のみ、2方向は180度ではなく120度方向から押し、軸と穴のスキを3方向から押さえるようにして安定させます。

平行キーには、ねじ用穴なしのものと、ねじ用穴付きのものの2種類があります。平行キーは、シャフトの回転をギヤに効率よく伝える重要な役割があります。工作機械、自動車、建設機械、食品機械、ポンプなどさまざまな機械で使用されています。

キーの問題点として、平行軸と平行キーの組み合わせの場合、交番荷重(大きさとともに荷重の方向が繰り返し変わるもの)が作用すると、軸と共にフレッチング摩耗を起こすことがあります。

ちなみに、フレッチング摩耗とは、接触する物体の間に微小な往復滑りがくり返されるときに生じる表面損傷のことです。フレッチング摩耗を防止する対策として以下のことがあげられます。

①    軸の嵌合をきつくする
②    キー溝をJIS精級にする
③    テーパー軸と半月キーの組み合わせにする
④    接線キーを用いる

 

平行キーの用途

平行キーは、電動装置など一般的によく使用されているキーです。軸とギアなどの回転体の両方にキー溝を作りキーをはめ込みます。

平行キーは、回転体の動力が確実に伝わるというメリットがあり、高速回転や重荷重に適しています。

 

平行キーの呼び名

平行キーの呼び名は、各企業や産業によってさまざまな呼び名があります。平行キーのほかに、マシンキー、スッピルキー、シャフトキーといった呼び名があります。

平行キーの規格

キーの大きさなどはJISで規格化されていて、1972年のJIS規格改定時に寸法と公差が大幅に見直されているので、新JISと旧JISが存在しています。

JIS規定適用範囲は鋼製の平行キー、こう配キー、半月キーなどに対応するキー溝が「B1301」と規格化されています。
 

平行キーの材質

平行キーの材質は、JIS規格では引張り強さが600N/mm以上とされていますが、鋼種についてはJIS規格では特に指定されていません。ただ、一般的に使用される平行キーの材質はS45Cですが、強度に優れるS50Cを使用している企業もあります。

平行キーの抜き方

機械を分解するときなど、平行キーをキー溝から抜くのに苦労する人もいるようです。主にシャフトが傷ついてしまわないかと心配する人が多いようです。それで、平行キーを簡単にはずすときの要領を紹介します。

平行キーを簡単に抜く方法は、キー抜きタップを加工したものを使用します。具体的には、あらかじめボルトを取り付けられるように加工されたキー抜きタップを取り付けておいて、平行キーを抜く時にボルトを取り付け、ボックススパナなどで回します。

ボルトを回すことによって、平行キーが浮き上がってきます。なお、この抜きタップは再利用することもできます。

また、キー抜きタップを使用しないで平行キーを抜く時は、正面からマイナスドライバーで、上の方向に向けてハンマーなどで軽く叩くようにして抜きます。その他、ニッパーでコテを利用して外す方法や、真上から釘切りペンチで挟んでこじる抜き方などもあります。

しかし、きっちりと嵌っている場合などは、加工されたキー抜きタップなどを利用したほうがシャフトを傷つけたりせずに簡単に抜くことができます。
 

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まとめ

平行キーは、シャフトの回転をギヤに効率よく伝える重要な役割があります。今回は、平行キーの規格や材質について、また使い方などについて紹介しました。

・平行キーは、シャフトの回転をギヤに効率よく伝える重要な役割があり
・平行キーには、ねじ用穴なしのものと、ねじ用穴付きのものの2種類があります。
・平行キーは、電動装置など一般的によく使用されているキーです。
 

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