2020年05月19日公開
2020年10月26日更新
吊り金具|バリエーションや用途
吊り金具は、多くの場面において使用されています。一般家庭で使用されるものから、工場、構造物などの運搬に使用されるクレーンに取り付けるものなどその用途は多岐にわたり、種類も様々です。ここでは吊り金具のバリエーションや用途について解説していきます。

吊り金具とは?
吊り金具とは、照明器具や装飾品を壁や天井に取り付けるために使う金具です。天井や壁に取り付けた金具に取り付けて使うクレーンやフックなども吊り金具と呼ばれます。
吊り金具の用途
吊り金具は天井や壁に金具を取り付けて、照明、監視カメラを取り付けたり、壁に吊り金具を取り付けてテレビや絵を設置するなどに使われています。
また一般家庭だけではなく工場や倉庫、建築物や建設現場、重機器工場などで大きな荷物を持ち上げるためのクレーンやフックなども吊り金具の一種です。
吊り金具のバリエーション
吊り金具には様々な種類があります。連結金具として代表的なシャックルやフック、リング、アイボルト、クランプ、吊り天井などについて解説します。
シャックル
シャックルは物を持ち上げて移動させるクレーンと重量物を連結させるための吊り金具で非常に安全性が求められる吊り金具です。作業現場の状況や荷物の種別、吊り上げ方法によって選別されます。
JIS規格シャックルは4つの等級に分かれています。使用荷重が大きくなればシャックルも重くなります。
フック
鉤(カギ)のように先端が曲がった形状をしており、対象物を先端で引っかけるための吊り金具です。連結したい対象物に簡単に掛ける、外すことができるため玉掛け作業での使用頻度が高いです。
フックはアイフック型とシャンクフック型があります。
- アイフック型・・・スタンダードなフックです。フック上部の連結部分に環がある形状のフックで、フックに環があり、シャックルやワイヤーロープに連結しやすいのが特徴です。アイフックや環付(かんつき)フックと呼ばれています。
- シャンクフック型・・・主にクレーン用フックに使用されています。フック上部には環がなく縦に伸びたような形をしています。縦に伸びた部分をシャンク(軸部)といいます。シャンク部分にねじを切りネットで止める金具をつけ使用します。
リング
リングはシンプルな形をしており様々な用途に使われている連結金具です。複数の玉掛用具(スリング)をまとめて取り付けクレーンのフックに直接かけることができます。
もう1つの吊り金具であるリンクと似ているため、リングは丸リング、リンクは楕円リンクとも呼ばれています。
- リング(Ring)・・・まさに輪であり円形の吊り金具をいいます。リンクに比べ内径が大きいのが特徴です。さらにリンクに比べ吊り上げる際に毎回荷重がかかる場所が変わるためリンクよりも寿命が長いことが多いです。
- リンク(Link)・・・楕円形の吊り金具をいいます。荷重がかかる場所は上か下なのでわかりやすく、クレーンフックにはリンクのほうがかけやすいといわれています。
アイボルト
アイボルトは頭部にリングが付いたボルトです。小さいタイプから大きいタイプがあり、ヒートンとも呼ばれます。リング部分が変形したり、破断しないように保証荷重が決められています。
アイボルトはネジ部が他のボルト類のように部材同士を締結することを目的とせず、リングの部分にワイヤーやチェーンを引っかけるために下の部材に固定することが目的です。そのため、アイボルトは他のボルト類とは異なりネジの部分の呼び長さにあまり種類はありません。
一般的には足長と呼ばれるネジ部が長いアイボルトと一般頻の2種類となります。
アイボルトは穴の部分にフックやロープを引っかけ吊り上げることができます。人の手では持ち上げることができない設備等の上面にアイボルトを取り付け、上から吊り上げるというのが最も一般的な使用用途です。
また、チェーン等を繋げるために部材側にアイボルトを取り付ける場合もあります。この時にはアイボルトの使用目的が物を吊ることではなく、チェーン等を繋げるために取り付けることになるため保証荷重を気にする必要がありません。
大きなアイボルトを個人で購入する機会はほとんどないと思われますが、街中など様々な場所でアイボルトは使用されています。
ハンガー
ハンガーは各種形鋼やデッキプレートに、穴を開けることなく吊りボルトを吊りおろすための金具です。
非常に多くの種類があり、工場、倉庫などで使われています。
クランプ
クランプは機具などを他の物に固定するための,ねじのついたコの字形の金具をいいます。吊り金具のクランプは吊りクランプと呼ばれ降板はH型鋼の鋼材を挟み、運搬、吊り上げ、反転作業などを行うために使用されます。
吊り手がない荷物の吊り上げに適し、鋼材以外にもコンクリート製品の吊り上げ運搬用の吊りクランプなどもあります。
てんびん
てんびんは吊り天秤といい、文字通り重量物をバランス良く吊るすための吊り金具です。クレーン吊り、天秤や天秤吊り具、吊り棒天秤、吊り下げ天秤、吊りビームなど非常に多くの呼び名があります。
重量物を2点吊り、4点吊りとして建築現場や建設、工場、重機器工場や構造物の運搬には欠かせない吊り具として重宝されています。
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まとめ
吊り金具の種類、用途について解説しました。
- 吊り金具は一般家庭だけではなく工場、倉庫、構造物などにも使われている。
- 代表的な吊り金具は、シャックル、フック、リング、アイボルト、ハンガー、クランプなどである。
- リングとリンクは似ているため、リングは丸リング、リンクは楕円リンクとも呼ばれている。