2020年09月29日公開
2020年10月19日更新
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)/極低頭六角穴付ボルト【特徴や規格】
六角穴付ボルトは、一般的に工業系の設備や治具などに多く使われています。この記事では六角穴付ボルトとは何か? 六角穴付きボルトの一般的な使い方、部品の干渉やデザイン性向上に役立つ低頭六角穴付ボルト及び極低頭六角穴付ボルトの用途や規格・種類についても解説します。

六角穴付ボルトとは
一般的に六角穴付ボルトは、工業系の設備や治具などに多く使われています。しかし、六角穴付ボルトのヘッド(頭)の部分が他の部品に干渉してしまう、外側に飛び出しすぎてしまう、などのことはないでしょうか。
そのようなときは低頭もしくは極低頭の六角穴付ボルトを選択しましょう。このページでは、低頭六角穴付ボルトや極低頭六角穴付ボルトの特徴や用途について詳しく解説していきます。
六角穴付ボルトの特徴
六角穴付ボルト(キャップボルト)は、六角レンチを使用して締め付けるボルトで、円筒形の頭部に六角形の穴が開いていることが最大の特徴です。一般的な「+」「-」ボルトでは、サイズの合わないドライバーを使って必要以上の力を加えると、頭の部分を壊してしまう事があります。
しかし六角穴付ボルト(キャップボルト)は、六角穴付ボルトのサイズにピッタリしたものしか使えないので、強い締め付けが出来ます。しかし、あまりに力をかけすぎてしまうと六角レンチが変形したり、壊れてしまったりすることがありますので注意しましょう。
スパナやレンチを使う六角ボルトは、使うときに大きなスペースが必要となりますが、六角レンチは締め付けるときにスペースを必要としないことも特徴といえます。
六角穴付ボルトの用途
六角レンチは締め付けるときにスペースを必要としないので、六角穴付ボルト(キャップボルト)を使用する事で狭い場所での作業や機械の小型化が可能になります。見た目も良いので、デザイン的な理由で使用される場合もあります。
六角穴付ボルトは、装置の小型化や省スペース化、そして高い締め付け力があるなどの理由によって、幅広く使用されています。最近では機械や電気部品の内側だけでなく外側に使用されているものもあります。
ホームセンターなどで販売している組み立て式家具などにも、六角穴付ボルトは多く使われています。
六角穴付ボルトの規格や種類
一般に流通しているものは、ねじ部の呼び径がM2~M36です。主に材質はステンレス・鉄などで、表面処理は黒染めかニッケルメッキが一般的です。
通常の六角穴付ボルト(キャップボルト)は以下の特徴で表現します。
- 材質
- 表面処理
- ねじの種類
- ねじ部の呼び径×呼び長さ
呼び長さは、「首下○○mm」と呼ぶこともあります。
低頭六角穴付ボルトや極低頭六角穴付ボルトなどの種類
六角穴付ボルトのヘッド(頭)の部分が他の部品に干渉してしまう、外側に飛び出しすぎてしまうといったことがあります。これらの問題改善にくわえ、省スペース化、デザイン性の向上を目指すなら、頭もしくは極低頭の六角穴付ボルトを選択しましょう。
以下の写真のように、ヘッド部分の高さが違います。
狭いところやデザイン性向上に最適なボルトです。
低頭(ローヘッド)や極低頭のボルトは、家具にもよく使われています。
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)とは
狭いところやデザイン性向上に最適なボルトです。JIS規格サイズなどの一般的に流通している六角穴付きボルト(キャップボルト)と比較して頭の部分の高さが低いものをローヘッド(または低頭)六角穴付ボルトと呼びます。また、頭の部分の外径が小さいものを小頭ボルトと言います。
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)の特徴
頭部の高さが低い低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)は、頭の高さが低いので、以下の条件に適しています。
- 狭い個所や他の部品に当たってしまいそうな場所
- デザイン面でしっくりとしたおさまりを要求する場所
- 皿もみのできない薄い板等の締結
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)の用途
最近では、携帯機器、オフィス家具、自動車、家具、アクセサリー、家電、などなど、いろんなところで「ローヘッドキャップ」を見ることができます。
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)規格や種類
「低頭なのででっぱりが少なく見た目もスッキリする」
「リーズナブルでコンパクトに収まる」
「六角レンチでしっかりと締め付けられマウントも動かない」
「見た目もスッキリして満足」
などの高評価があります。
部品同士の干渉防止や見た目の向上におススメです。
極低頭六角穴付ボルトとは
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)よりもっと頭部分の高さが低いものを極低頭六角穴付ボルトと言います。
極低頭六角穴付ボルトの特徴
低頭六角穴付ボルト(ローヘッドキャップ)を使っても、まだ部品同士が干渉することもあるかもしれません。
そんな時は極低頭六角穴付ボルトをおススメします。
極低頭六角穴付ボルトの用途
名前の通り、頭の部分がとても低いボルトです。締め付けた後に、ボルトの頭部分の出っ張りが気にならないほどなので、部品の干渉も防げるし、見た目もすっきりします。特に薄い板(化粧板)などを取り付ける場合などには最適といえるでしょう。
六角穴付ボルトでは、頭の部分に高さがあるので、設備の外装面に使うとなると、頭部分の出っ張りが気になるので、皿もみ(ザグリ)をして、頭が出っ張らないようにすることがあります。
皿もみ(ザグリ)をするためには、それ相応の材料の厚みが必要になりますし、軽量化も考えると無理な場面もあります。
そんな時には、迷わず極低頭六角穴付ボルトを採用しましょう。
見た目もスッキリしますよ。
極低頭六角穴付ボルトの頭の高さは?
極低頭六角穴付ボルトの頭の高さは、1.5mm
一般的な六角穴付ボルトの頭の高さは、M10 のボルトで10mm
この数字の比較だけでも極低頭六角穴付ボルトの頭の高さが低いことがわかるでしょう。
まとめ
一般的な用途なら、一般的な六角穴付ボルトで十分です。しかしながら、他の部品がボルトの頭に干渉してしまったり、狭い部分のボルト締め付けが必要だったりする場合には低頭タイプの六角穴付ボルトをおススメします。
特に製品や設備の外装部分には、極低頭六角穴付ボルトを使用することで、見た目もスッキリしてとても良いです。基本的なことですが、工具はボルトサイズに合ったものを必ず使用してください。
合わない工具での作業は、思わぬ事故の危険性を伴います。また、ボルトは締め付けすぎないことも重要です。締めすぎる事で、材料を破損して思わぬ事故につながります。つねに安全第一で作業を心がけましょう。