2020年02月27日公開
2020年10月26日更新
ユニファイねじとは?規格と種類を紹介
ユニファイねじは、元々はアメリカで開発されたねじですが、近年日本でも業界によって使用されることが増えています。本記事では、ユニファイねじの特徴を紹介しながら、日本で主に使われているメートルねじとの違いや、ユニファイねじの規格・種類について、解説していきます。

ユニファイねじとは?
ユニファイねじとは、ねじ部分の寸法やピッチなどのサイズをインチ単位で表したインチねじの一種です。アメリカのウィリアム・セラーズによって開発されましたが、アメリカ以外にも、イギリスやカナダで統一使用されてきました。
日本でも、航空機やアメリカ製の自動車など、業界によってはユニファイねじが使用されているので、JIS規格(日本産業規格)でも規定されています。また、日本で一般的に使用されているメートルねじとの一番の大きな違いは、メートルねじがその名の通りメートル法のミリ単位で表すのに対し、ユニファイねじは、インチ単位を使用している点です。
さらに、ピッチが表現している物にも違いがあります。ピッチとは、メートルねじの場合は、ねじ山からねじ山の距離のことを指しますが、ユニファイねじでは、1インチ当たりのねじ山の数を表すので、似た値であっても混同しないよう注意が必要です。
ちなみに、この1インチとはミリ単位に換算すると約25.4mmで、ユニファイねじのサイズは、1インチを8等分に分けて1/8や5/8と表します。この時、呼び方としては1/8を「いちぶ」、5/8を「ごぶ」と呼びますが、1/4の場合は、2/8なので見たままの数字ではなく「にぶ」と呼びます。
さらに、1-1/8は「いんちいちぶ」、2-1/4は「にいんちにぶ」など、呼び方が特徴的な点もユニファイねじを含むインチネジの特徴です。メートルねじとは、ねじ山の角度が同じ60°でそれぞれ並目と細目があるので、ねじ単体の見た目だけでは大きな違いはありません。
しかし、例えばボルトとナットのように組み合わせて使用するねじの場合は特に、近いサイズのねじでも組み合わせを間違えてしまうことで、きちんと締まらなかったり、緩みが出てきて安全性が低下してしまったりと、思わぬ欠陥にも繋がりかねません。
したがって、ネジを使用する際には、目的に適したねじか、また、雄ネジと雌ねじの組み合わせを間違えていないかなど、確認を徹底するようにしましょう。
ユニファイねじの規格と種類
ユニファイねじがどのようなねじか分かった所で、ここからは、ユニファイねじの大まかな種類や規格について、解説していきます。
ユニファイねじの種類
ユニファイねじには、大きく分けてユニファイ並目ねじとユニファイ細目ねじがあります。また、ユニファイねじと似たインチねじの種類として、ウィットねじもありますので、まずは、それぞれの種類の特徴から解説していきます。
1.ユニファイ並目ねじ
ユニファイ並目ねじは、ユニファイねじの規格では、標準的なピッチのねじを指します。並目は「なみめ」と読み、ねじ山の角度はメートルねじと同じく60°です。このユニファイ並目ねじを表す際には、頭の部分にUNCという記号が付きます。また、ISOインチねじの中では並目系列のねじと一致します。
2.ユニファイ細目ねじ
ユニファイ細目ねじは、ユニファイ並目ねじよりもピッチが細かいねじです。ピッチが細かいので、並目ねじと比較すると締め付けが強く、緩みにくいという特徴があります。しかし、締め付ける際に並目ねじよりも回す回数が増える為、作業効率が低下するというデメリットもあるので、使う場所や用途に合わせて、並目か細目か選ぶことをおすすめします。
細目の読み方は「さいめ」で、ねじ山の角度はメートルねじやユニファイ並目ねじと同じく60°です。ユニファイ細目ねじを表す際は、UNFという記号を付けて表します。
3.ウィットねじ
ウィットねじは、イギリスのウィット・ウォースが考案した規格のねじです。ユニファイねじと同じく、単位にインチを用いたインチねじの一種で、1インチを8分割して寸法を表す点も同じですが、厳密には、ユニファイねじとは別のねじとして扱われることが多くなっています。
現在でも水道業界や建設業界などで使われており、以前はJIS規格で規定されていましたが、1968年に廃止されました。ウィットねじを表記する際の記号はWで、ねじ山の角度は55°と、ユニファイねじやメートルねじの60°と異なる点も、ウィットねじの特徴の1つです。
また、ほとんど市場に出回ることはありませんが、細目も存在しています。
ユニファイねじの規格
先述の通り、ユニファイねじは、JIS規格でも規定されており、ユニファイ並目ねじは、JIS B 0206やJIS B 0210、ユニファイ細目ねじは、JIS B 0208やJIS B 0212で、それぞれ定められています。
あくまで基準となる単位はインチですが、日本ではインチよりもメートル法の方が一般的な為、JIS規格の規格表ではミリ換算した数値が併せて記載されているのです。また、ねじ山がある部分の外径を表す「ねじの呼び」は、細い物はNo.0やNo.3など「番手」と呼ばれる表記で表し、太い物は1/8や3/8など1インチを8等分した表記で表します。
そして、ねじ部分の寸法も、1インチを8等分した表記で表しますが、この分数表記されたサイズをミリ換算する際には、例えば、5/8の場合、25.4÷8×5=約15.88mmのように、1インチを表す25.4mmを表記されている数値の分母で割り、その出た数値に分子を掛ければ、規格表を見なくてもミリ換算したサイズが分かるようになっています。
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まとめ
- ユニファイねじの単位はミリではなく、インチを用いている。
- 1インチはミリ換算すると25.4mmを表す。
- ユニファイねじにおけるピッチとは、1インチ当たりのねじ山の数を表し、メートルねじのピッチとは表すものが異なるので、注意が必要。
- 外径はサイズによって、No.0などの番手と、3/8などの1インチを8等分した表記の2種類で表す。
- ユニファイねじには、並目と細目がある。
- 並目ねじはUNC、細目ねじはUNFの記号を付けて表記する。