ホーローセットの種類や特徴を解説!合わせる六角レンチは?

ホーローセットは日常生活においてあまり見かけませんが、イモネジ以外にも六角穴止めネジや虫ネジなど様々な呼び方があります。ねじ山が安定しているため機械部品の固定や位置決めに使用されています。ホーローセット(イモネジ)の種類、特徴や一般的な規格表を解説します。

ホーローセットの種類や特徴を解説!合わせる六角レンチは?のイメージ

目次

  1. 1ホーローセットの特徴とは
  2. 2ホーローセットの先端形状
  3. 3ホーローセットの種類と合わせる六角レンチ
  4. 4ホーローセット(イモネジ)は相手部材を押さえるネジ
  5. 5ねじのことでお困りならツルタボルトがおすすめ!
  6. 6まとめ

ホーローセットの特徴とは

ホーローセットは、一般的にはイモネジと呼ばれることが多く、ほかには虫ネジ、六角穴止めネジなど様々な呼び方があります。頭部に六角形の穴の付いたネジでJISの正式名称は「六角穴付き止めネジ」です。

ねじ山が非常に安定しているため、機械部品の固定や位置決めに使用されることが多いです。締結する穴は六角穴やすりわり、プラスなど様々になります。

ホーローセットの最大の特徴はなんと言ってもネジ頭部がネジ部と同じ大きさである、という点です。ネジというと、ナベや皿、丸などネジ先端の反対側は何らかの形状の頭部になっています。しかし、ホーローセットはそのような頭部ではないため、ホーローセットは締め付ければ締め付けるほど、穴の中に埋まっていくのが特徴です。

またホーローセットの特徴として、もう1点あげられるのがネジ部先端形状の種類がさまざまであることです。一般的なネジはネジ部先端は平らなものが普及しています。ホーローセットの先端は同じように平面になっているものや尖っているもの、凹んだ形状のものなど、形状の種類が多種多様です。この形状の違いは、ホーローセットがその役割を果たすために非常に重要となります。
 

ホーローセットの用途

ホーローセットはさまざまなものに使われるネジとして活躍しており、工業用機械や自転車、ロードバイク、自動車部品に多く使用されています。例えば、モーターのシャフトにギアを固定するなど、棒状のものに何かを固定させる場合にホーローセットはよく使われます。

このようにホーローセットはさまざまな種類の機械に活躍しているネジなのです。どの種類のホーローセットはでも使用できるというわけではないため、使用用途(締結先)に合わせホーローセットの種類を選ぶことが大切です。

ホーローセットは細かい位置決めや変更もすることができます。すりわり付きや六角穴止めネジは頭部がないため部材は同一面で埋め込むことができます。
 

1.使用事例①ギアを取り付けるための止めねじ

ホーローセットをモーターのシャフトに取り付けるために使うことができます。止めネジを使用することによって、ギア位置を微妙に調整することができます。またネジ頭部が飛び出ないためスペースのない部分でも邪魔になることがありません。
 

2.使用事例②すりわり付き止めねじ

くぼみ先のすりわり付き止めねじとして使用できます。

3.使用事例③ポスターフレームの止めねじ

ポスターフレームを組み立てる時に使われる止めネジにもホーローセットは使用できます。背面に出っ張らない為、壁にぴったりとくっつけて飾ることができます。
 

ホーローセットの先端形状

ホーローセット(イモネジ)は5種類の先端の形状があります。一般的にはくぼみ先を使用することが多いといえますが用途によって適した形状が違います。
 

その1:くぼみ先

先端にくぼみがあるホーローセットです。くぼみ先タイプのホーローセットは最も普及しており、一般的に特に指定がなければ使用されるのが、くぼみ先タイプです。
 

その2:平先

ネジ部先端が平らになっているホーローセットで、多く普及しているタイプのホーローセットです。先端が平らなため、締め付けた時に先の部材が傷つくのを防止できるメリットがあります。着脱頻度が多い場合には先の部材の傷防止には平先タイプが活躍します。
 

その3:とがり先

先端が尖っており、一度締め付けたら再度取り外すことがないところに止めネジ、緩み止めネジとして使用されることが基本です。固定したらそのままずっと固定しておきたい場合に活躍するタイプのホーローセットです。

止めネジ、緩み止めネジとして使用するには優秀ですが、逆に何度も取り外すといった使い方には向いていません。
 

その4:棒先

ネジ部先端に棒のような部分が付けられたもので、ホーローセット径よりも径が小さい先端になっているのが特徴です。棒先タイプを使用するメリットとして、締め付け先の隙間が部材の関係から狭い場合でも締め付けられるという点です。
 

その5:ダブルポイント

くぼみ部分と尖った部分を組み合わせたような先端構造となっています。先端部の中央にはくぼみがあり、このくぼんだ部分に尖った部分が付いたような形状となっています。緩み止め効果、確実な食い込みやブレ防止効果が期待できます。
 

ホーローセットの種類と合わせる六角レンチ

ホーローセットの種類と合わせる六角レンチ

ホーローセットは呼び径、六角レンチの規格が決められています。これら2つの項目は必ず確認しておきましょう。

ホーローセット(イモネジ)の呼び径と使用する六角レンチ規格

ねじ呼び径 M1.4 M1.6 M1.8 M2 M2.5 M3 M4 M5 M6
使用レンチ 0.71 0.71 0.71 0.89 1.27 1.5 2.0 2.5 3.0
ねじ呼び径 M8 M10 M12 M14 M16 M18 M20 M22 M24
使用レンチ 4.0 5.0 6.0 6.0 8.0 10.0 10.0 12.0 12.0

止めネジの種類
  • すりわり付き止め・・・鋼平先、とがり先、棒先、くぼみ先、丸先
  • 四角止めねじ・・・鋼平先、とがり先、棒先、くぼみ先、丸先
  • 六角穴付き止めねじ・・・平先、とがり先、棒先、くぼみ先

ホーローセット(イモネジ)は相手部材を押さえるネジ

ホーローセット(イモネジ)は相手部材を押さえるネジ

ホーローセットは別名イモネジであることはすでにご紹介しましたが、ほかにもセットスクリューと呼ばれるネジで止めネジです。ネジの先端を押し付け、相手部材を押さえるネジの総称として使われています。

JISでは止めネジには、ネジを回す部分の形状によって「すりわり」、「六角穴」、「四角頭」の3つの種類があります。

しかし、四角頭である四角止めネジは止めネジであるものの、ホーローセットではありません。頭がついた止めネジとなり、ホーローセットはすりわり付き止めネジと六角穴付き止めネジの2種類となります。
 

すりわり付き止めねじ

すり割り付き止めねじ(平先)の代表的な規格の寸法(サイズ)

ねじの呼び(d) M1.6 M2 M2.5 M2.6 M3 (M3.5) M4 M5 M6 M8
ピッチ(p) 0.35 0.4 0.45 0.45 0.5 0.6 0.7 0.8 1 1.25
df おねじの谷の径
n 呼び(9) 0.25 0.25 0.4 0.4 0.4 0.5 0.6 0.8 1 1.2
最小 0.31 0.31 0.46 0.46 0.46 0.56 0.66 0.86 1.06 1.26
最大 0.45 0.45 0.6 0.6 0.6 0.7 0.8 1 1.2 1.51
t 最小 0.56 0.64 0.72 0.72 0.8 0.96 1.12 1.28 1.6 2
最大 0.74 0.84 0.95 0.95 1.05 1.21 1.42 1.63 2 2.5

単位(mm)

六角穴付き止めねじ

ホーローセット(イモネジ)の代表的な規格の寸法(サイズ)

ねじの呼び径(d) M1.6 M2 M2.5 M3 M4 M5 M6
二面幅の呼び(S) 0.7 0.9 1.3 1.5 2.0 2.5 3.0
呼び長さ(l) 2-8 2-10 2-12 3-30 4-30 5-30 6-30
ねじの呼び径(d) M8 M10 M12 M16 M20 M24  
二面幅の呼び(S) 4.0 5.0 6.0 8.0 10.0 12.0  
呼び長さ(l) 8-40 6-50 10-60 16-100 15-150 24-100  
単位(mm)
 

四角止めねじ

四角止めねじの代表的な規格の寸法(サイズ)

ねじの呼び径(d) M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
m 基準寸法 2.4 3.2 4 5 6.5 8 10
許容差 0
-0.25
0
-0.3
0
-0.36
S 基準寸法 5.5 7 8 10 13 17 19
許容差 0
-0.2
0
-0.25
0
-0.35
e 7.8 9.9 11.3 14.1 18.4 24 26.9
 
ねじの呼び径(d) (M14) M16 (M18) M20 (M22) M24
m 基準寸法 11 13 15 16 18 19
許容差 0
-0.43
0
-0.52
s 基準寸法 22 24 27 30 32 36
許容差 0
-0.35
0
-0.4
e 31.1 33.9 38.2 42.4 45.3 50.9

ねじのことでお困りならツルタボルトがおすすめ!

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まとめ

日常生活においてよく見られるネジとは少し異なる形をしているホーローセット(イモネジ)は、小ささを活かし、縁の下の力持ちのような役割をしています。緩み止めやネジ止めの役割を行う大切な部品です。

緩み止めとして使用するためには使用用途や目的に沿った種類のホーローセットを選択する必要があります。購入の際にはねじの呼び径やそれにレンチを用意してから購入し、効率的に作業できるようにしましょう。
 

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