2020年11月30日公開
2020年12月01日更新
ハトメのサイズや取り付け方とは?外し方や種類も解説
この記事では、ハトメとはどのようなものか?ハトメの用途・特徴やサイズ・種類・材質などについて解説します。また、ハトメの取り付方法や使用工具、ハトメをキレイに取り付けるコツやよくある失敗例とその原因について解説します。
ハトメとは?
ハトメは、布やビニール、紙などに空けた穴が破れて広がらないようにするために補強する金具のことで、空けた穴を縁取るような形状になっています。
ハトメという名称は、外見が「鳩の目」のように見えることから由来していますが、諸説あるようです。
英語ではグロメット(gromet)やアイレット(eyelet)とも呼びます。
ハトメの用途
布・皮革・紙などにあけた穴にハトメしないまま紐などを通して使用すると、あけた穴が少しずつ破れ、それが大きな破れになってしまいます。
そのような状態にならないように補強するのがハトメの第一の役目です。
身近なものでは運動靴の紐を通す穴にもハトメが使われているものがあります。また、アウトドアで使うブルーシートやテントなどにロープを通したり、ペグを打ったりする穴の補強の目的で使われています。
その他には下記のような使われ方もします。
- アパレルや雑貨などのデザイン性の向上。
- 販売店で使用するタグのやメッセージカードの通し穴。
- ベルトやレザーの穴にハトメを付けてベルトのバックル止めに使用。
- 重さがあるカレンダーの吊り下げ穴の補強。
- 穴の補強が目的ではなく、複数の布や皮革をまとめて固定するなどのカシメの代用。
ハトメの特徴
最近はホームセンターや100均ショップでハトメや専用工具が入手できるようになりましたので、手軽にアイデア次第で、幅広く様々な用途に使用できることが大きな特徴と言えます。
ハトメとカシメの違い
ハトメは穴の補強用として使用し、中央に穴が開いているので、紐を通したり、何かに吊り下げることが可能です。一方でカシメはハトメに対して中央の穴が無いとタイプで、カバンの取手やショルダーバッグの肩紐取り付けや補強、また、ジーンズポケットの補強などに使われています。
ハトメのサイズと種類
ハトメのサイズは内径のサイズ(穴の直径)で呼ばれ、3mm~20mm程度が一般的ですが、それ以上のものもあり、デザインや用途によって使い分けられます。
ハトメには、大きく2種類があります。
- 両面ハトメ
- 片面ハトメ
ハトメの材質と硬さ
ハトメの材質は、プラスチック、アルミニウム、真鍮、鉄、ステンレスがあり、真鍮はニッケルメッキされているものがあります。
色は金色やブロンズ、黒などから選べ、デザイン性の向上に一役かっています。
以下に材質ごとの硬さや特徴を解説します。
- プラスチック
例えば、イベントの横断幕を一時的に建物へ掲げたり、工事車両などへ車両幕を取り付けたりする場合で、プラスチック製であれば建物や車に傷がつきにくくなります。
また、施工に専用工具が不要で、手で両側から軽く抑えるだけで取り付けができます。このような構造から、プラスチック製ハトメは両面ハトメのみです。
しかし、強度的に低く耐候性も優れているとは言えませんので、室内や一時的に使用する場合などに適しています。
- アルミニウム
- 真鍮(銅と亜鉛の合金)
- 鉄製
- ステンレス
しかし、最も高価でその硬さゆえに取り付けがやや困難なため、取り扱いに注意が必要です。
ここでは材質の柔らかい順に説明しました。
【柔らかい】← プラスチック>アルミニウム>真鍮>鉄>ステンレス製 →【硬い】
という順になります。母材や用途によってハトメの材質を決定しましょう。
ハトメの使い方
そのまま使う方法
両面ハトメとも呼ばれ、サイズが少し違うハトメを両面から組み合わせて、裏表が同じように仕上がるハトメです。ハトメを潰さないので裏側が二重のリングにならず、表側とほぼ同等の一重のきれいなリングができます。
両面ハトメの場合は構成部品が2つあるので、取り付けに少し手間が必要ですが、とてもきれいに仕上がります。
バッグの取っ手部分のハトメや革靴などに両面ハトメが使われています。
ハトメを潰して使う方法
片面ハトメとも呼ばれる、ハトメを潰して使う方法にはリングを使用する場合と、そうでない場合があります。
リングを使用してハトメとリングで母材をはさむ場合は、ハトメの先端に割れがない丸つぶしハトメと組み合わせます。
リングを使用しない場合は、先端に割れ目がある菊割れハトメを使用することが多く、取り付けると裏側が花を開いたように見えるのが特徴で、開いた花びらの先端が母材に食い込み、しっかりと固定されます。
スニーカーの靴ひもを通す穴など、多くのもので使用されています。
ハトメの取り付け方
1. ハトメを取り付けたい母材(布や革など)にハトメを取り付ける穴を開けます。
穴をあけるときはポンチを使用しますが、机の上などで行うと傷をつけてしまう可能性がありますので、木板やポンチ用のゴムマットの上に母材を置き、ハトメの取り付け位置を確認しながらポンチで下穴をあけます。
2. 下穴をあけた素材の表面にハトメを差し込みます。
両面ハトメやリングを使用する場合は、母材の裏面に組み合わせるハトメまたはリングを通します。
3.手打ち工具やハンドパンチ、プレス機などの専用工具や機器でハトメを締め付けて固定します。
ハトメを選ぶときの注意点
ハトメを選ぶときには用途やデザイン性・耐久性などを考慮して選びましょう。
裏面が人目につかないのであれば片面ハトメで良いでしょうし、見た目や耐久性を考慮するならば両面ハトメの方が良いでしょう。
また、硬さのところで触れましたが材質によって特性が違いますので、使用目的に合わせて材質を決定しましょう。
ハトメを使うときの道具
- 穴あけ工具
穴あけポンチは「ハトメ抜き」と呼ばれることもあります。
レザーパンチやハトメポンチという名称の穴あけ専用の工具もあります。
また、製造工場などで大量にハトメを使用する場合は、ハンドプレスやプレス機を使って穴をあけています。
- 締め付け工具
ハトメパンチはペンチのような形で、手で握ってハトメを締め付ける工具です。数多くのハトメをきれいに仕上げるなら、ハトメパンチがおすすめです。
また、製造工場などで大量にハトメの締め付けが必要な場合には、ハンドプレスやプレス機を使うことで効率が上がります。
ハトメをキレイに取り付けるコツ
- 穴あけのポイント
- 打ち具・打ち台
- ハトメパンチ
また、締め付ける力の加減にも注意しましょう。力が不足していると素材との隙間が出来て外れたり、すぐに外れてしまいます。
逆に力を入れすぎるとハトメが潰れ過ぎて母材も傷めてしまい、ハトメが変形して見た目も悪くなります。
- 機械によるハトメ締め付け
また、大量かつ長期間にわたり同じハトメを締め付ける場合は、打ち台の摩耗により美しく仕上がらなくなりますので、機器のメンテナンスにも気を配りましょう。
ハトメ打ちでよくある失敗例とその原因
打ち具・打ち台を使用した場合の失敗例とその原因を解説します。
- ハトメ内側の筒部分が歪んで見た目が悪い
- 裏側のリングが水平になっていない
- ハトメの表面はきれいだが、裏面のリングの一部に割れている
また、鉄製のハトメは割れやすい傾向があります。その場合は真鍮やアルミニウム製に変更してみるのも対策の一つです。
まとめ
この記事では以下の内容について解説しました。
- ハトメとは布や革などに空けた穴の補強をする目的の金具です。
- ハトメはアパレル関係やアウトドア業界でも活用されています。
- ハトメは内径サイズ3mm~20mm以上のものまであります。
- 両面ハトメと片面ハトメがあります。
- 材質によって、プラスチック>アルミニウム>真鍮>鉄>ステンレス製の順で硬い材料となっています。
- ハトメは母材への穴あけ、ハトメの差し込みと締め付けの順で取り付けます。
- ハトメは用途によって両面か片面かを選び、目的によって材質も考慮しましょう。
- 穴あけにはポンチを使い、締め付けにはパンチを使います。
- ハトメに合った工具を使うことで、きれいに仕上がります。
- ハトメ打ちでは、斜めに打ってしまう事がありますので注意しましょう。
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