タップの種類と使い分けを4種類のタップごとに解説

タップには、いくつか種類があります。それぞれ特徴があり使用用途もさまざまなので、状況に応じて使い分けたいという方も多いでしょう。本記事では、タップの種類と用途別の使用シーンについて解説します。タップを効率的に使いたいという方は、ぜひ参考にしてください。

タップの種類と使い分けを4種類のタップごとに解説のイメージ

目次

  1. 1タップとは
  2. 2タップの大きさの種類
  3. 3タップでねじ穴を加工する方法
  4. 4タップ加工の注意点
  5. 5ねじのことならツルタボルトがおすすめ!
  6. 6まとめ

タップとは

タップとは、ねじ穴を加工する工具のことです。雄ねじを金属板に取り付けられるように、穴の内側にねじ山を刻みこみます。工業製品などでは特殊な機械を使っていますが、その方法ではねじ穴を大量に加工することはできません。タップが普及したことで、個人でも簡単にねじ穴を開けられるようになりました。

タップはその用途上金属板を加工することが多く、ある程度の頑丈さが求められます。使用方法を間違えると変形・破損したりするので、丁寧な取り扱いが必要です。タップが折れると穴から取り出すのが難しくなり、それまでの作業がすべて無駄になります。タップの素材や穴の種類などを考慮して、状況に合った使い方をしましょう。

はじめのうちは、比較的柔らかい金属であるアルミ・真鍮・軟鉄や、樹脂としては丈夫なアクリル板などを加工するのがよいでしょう。

ねじ穴の種類

ねじ穴の種類には、「通り穴」と「止まり穴」があります。 通り穴はネジ穴が下まで貫通しており、止まり穴はねじ穴が途中で止まっています。穴の種類によって最適なタップも変わるため、どちらの穴にするか事前にしっかりと決めましょう

タップはどんなときに使われる工具?

タップはめねじを作成する工具です。旋盤やフライスなどで作成するより安価です。

タップの4つの種類

タップの種類は、以下の4つです。一つずつ詳しく解説します。
 

  1. ハンドタップ
  2. 溝なしタップ(転造タップ)
  3. ポイントタップ
  4. スパイラルタップ

1.ハンドタップ

手で持って使えるタップです。工場ではメイン工具としてではなく、ねじ山の補正やテスト品の穴あけなどに使われます。通り穴・止まり穴、両方に使えるのが特徴です。タップ部分に4つの溝ができており、そこからねじ切りカスが排出されます。

非常に使いやすいタップですが、あくまで手作業を前提としているため、量産用の機械工具としては使えません。そのため、DIYのねじ穴加工用として使用するのがおすすめです。
 

2.溝なしタップ(転造タップ)

ねじ切りのカスが出ないタップです。ねじ切りを行うのではなく、穴内部を盛り上げるようにしてねじ穴を作ります。内部構造を変形させるため、アルミなどの柔らかい素材に使われることが多いです。非常に専門性が高いタップですが、通り穴・止まり穴の兼用はできません。

3.ポイントタップ

通り穴用として使えるタップです。ハンドタップとは違い、機械用の工具として利用できます。ハンドタップのような形状に加え、先端に3つの溝ができているのが特徴です。ねじ切りのカスは、この溝から下に落ちます。

4.スパイラルタップ

止まり穴用として使えるタップです。加工内容によっては、通り穴も開けられます。タップ部分にらせん状にねじれた溝があり、この溝を通してねじ切りのカスが上方から排出される仕組みです。カスが下に溜まらないので、ネジ穴を下まで貫通させたくない時に利用できます。

補足.管用タップ

配管用のねじ穴を加工するためのタップです。水道管や機械類の配管を接続する管用ねじを取り付けるために用います。「JIS管用テーパー用めねじRc」「JIS管用テーパー用めねじRp」「JIS管用平行ねじG」などが有名です。

「JIS管用テーパー用めねじRc」は先端が細くなっているテーパ形状、「JIS管用テーパー用めねじRp」と「JIS管用平行ねじG」は全体が円筒で一定の平行形状になっています。

「JIS管用テーパー用めねじRc」と「JIS管用テーパー用めねじRp」は、両方とも「JIS管用テーパー用おねじR」を取り付けるためのものです。

タップの大きさの種類

タップの大きさには、「1番・2番・3番」の3種類があります。呼び方は様々で人によっては「先・中・上」と言う場合もあります。

1番タップ

ねじ切りの際、1番最初に使うタップです。先端が9山削れており、タップを垂直に立てやすいように工夫されています。

1番タップは、一気に回しすぎないことが大切です。一度に回しすぎると、ねじとねじ穴のサイズが合わなくなります。1回転回して1/4回転ほど戻しながらねじ切りしていくのが理想です。特にアルミなどの柔らかい素材は、内部構造が変化しやすいため回しすぎないように注意しましょう。
 

2番タップ

1番タップの次に使うタップです。先端が5山削れており、ねじ穴の中間部分までを加工しやすくなっています。ねじ山の補正などに使われることの多いサイズです。

3番タップ

最後の仕上げに使うタップです。先端が1.5山しか削れていないため、1番タップや2番タップでは削りきれなかった最深部の加工に適しています。

タップでねじ穴を加工する方法

タップは以下の4つの部分を使って、ねじ穴に加工します。
 

  • 先端にある食い付き部分
  • タップに刻まれた溝部分
  • ねじ切りを行うネジ部分
  • ホルダーで固定するシャンク部分

ドリル穴にタップを立てるとき、最初に触れる部分が「先端の食い付き部」です。食い付き部分はドリル穴にタップをしっかりと食い込ませられるように、若干細目になっています

タップをしっかり立てたら、後は回してねじ切りを行うだけです。タップを回している最中に出てくるカスは、溝部分か適時排出されます。
 

タップ加工の注意点

・タップの順番を必ず守る
タップは、「1番・2番・3番」という使用順を必ず守りましょう。これらはねじ穴を加工するために最適化されたルールなので、横着して工程を省略すると、ねじ穴内部にひずみが出る可能性があります。

・下穴はサイズに合わせて垂直に開ける
下穴はタップの大きさに応じてサイズが決まっています。たとえば、M7のねじ穴作る場合の下穴のサイズは6.0mmです。また下穴は、必ず垂直に開けるようにしましょう。垂直じゃないと、タップが斜めに固定され、ねじ切りが上手くいきません。タップが折れる原因にもなるので注意しましょう。

穴を開けづらい時は、まず細いドリルで小さな穴をあけ、徐々に直径を大きくしていくのがおすすめです。

・機械油を塗る
タップはねじ切りカスが溜まりやすいので、機械油を塗りましょう。油を塗ることでタップ表面の摩擦が少なくなり、切りカスが排出されやすくなります。タップ自身の保護にもなるので、積極的に使いましょう。

・慎重に作業する
タップは、破損しやすいので慎重に扱いましょう。先端をドリル穴に食い込ませたら、ゆっくりと時計回りに回します。途中機械油を注入しながらやると、回転がスムーズになるのでおすすめです。

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まとめ

タップは種類に応じて使用目的が異なります。「貫通穴を作りたいときはポイントタップ」「止まり穴を作りたいときはスパイラルタップ」などのように、用途に応じて使い分けましょう。

アルミなどの柔らかい素材にねじ穴を開けるときは、溝なしタップがおすすめです。DIY・ネジ穴の補正・各種メンテナンスなどであれば、ハンドタップでもよいでしょう。自分に合ったタップを選び、作業を効率化させてください。

【ねじ穴の種類】

  1. 通り穴
  2. 止まり穴

【タップの4つの種類】
  1. ハンドタップ
  2. 溝なしタップ(転造タップ)
  3. ポイントタップVBA
  4. スパイラルタップ

【タップでねじ穴に加工する部分】
  1. 先端にある食い付き部分
  2. タップに刻まれた溝部分
  3. ねじ切りを行うネジ部分
  4. ホルダーで固定するシャンク部分

【タップ加工の注意点】
  1. タップの順番を必ず守る
  2. 下穴はサイズに合わせて垂直に開ける
  3. 機械油を塗る
  4. 慎重に作業する

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