スプリングピンの使い方は?入れ方と抜き方を解説【初心者向け】

本記事は、スプリングピン使い方について紹介する記事です。スプリングピン使い方として、スプリングピン抜き方や入れ方について詳しく解説していきます。また初心者向けにスプリングピンの特徴や用途、スプリングピン抜き方や入れ方のポイントもわかりやすく紹介しています。

スプリングピンの使い方は?入れ方と抜き方を解説【初心者向け】のイメージ

目次

  1. 1スプリングピンとは
  2. 2スプリングピンの使い方
  3. 3ねじのことならツルタボルトがおすすめ!
  4. 4まとめ

スプリングピンとは

スプリングピンとは、薄板を円筒状に湾曲させ熱処理を施した縦方向に隙間があるピンです。入れる穴はドリル穴のみでも使用でき、リーマー加工を必要としない簡易系ノックピンの一種です。ロールピンとも呼ばれます。

形状はC型に丸めた筒状のものが多いです。ピンの外径よりも少し小さな穴に挿入して使います。ヒンジやストッパー、部品の連結や位置決めガイドなど、さまざまな用途で使用できるピンです。

スプリングピンの特徴

スプリングピンの特徴は、ピン自体がセルフロックをする事です。ピンの外径よりもわずかに小さな下穴に抽入すると、穴の周辺に内圧(ピンが広がる力)が作用してピンが抜け出なくなります。その為下穴に求められる精度は、ドリル穴程度で大丈夫なのも特徴です。

またスプリングピンは中空の為、平行ピンやテーパーピンに比べると軽くて使い勝手がよいです。

たわみの働きを利用するスプリングピンは、「はめ合い許容差」のような穴の精度は要しません。ヒンジとして使用する場合も、ばね作用で複数の機能を利用できます。また普通のシャフトに比べると、振動による脱落に強い特徴があります。

せん断力を増す為に、径の異なる2つのスプリングピンを組み合わせる方法があります。このピンをダブルピンと呼びます。組み合わせ方は、縦の隙間を揃えない方がせん断力が増します。



 

スプリングピンの用途

スプリングピンは、位置決めや回転防止、抜け止めなどのさまざまな用途に使用されます。またピンの形状や材質により、せん断力や特徴が違います。

スプリングピンは、選定や使い方を間違えると不具合の原因となるので注意が必要です。

下記に3種類のスプリングピンの特徴を解説していきます。

ストレート形一般用

ストレート形一般用は、縦方向の隙間が直線になっています。両端面は絞り加工が行ってある為、からみにくく仕上がっています。

せん断強度が高く、動的荷重や衝撃荷重の加わる箇所への使用が適しています。ストッパーや抜け止めなどの使用に向いています。また2つのスプリングピンを組み合わせて使用するダブルピンにも、波形の隙間のものより適しています。

波形一般用

波形一般用は、縦方向の隙間が波形になっています。ストレート形と比較すると、隙間が波形なので絡みにくく自動挿入に適しています。

波型の隙間が円周全体に接触するので、回転がスムーズになる特徴があります。ヒンジ等の回転部分の使用に向いています。

波形軽荷重用

波形軽荷重用は形状は波形一般用と同じですが、板厚が薄くなっています。挿入荷重が低いのが特徴です。

相手の材質がアルミや樹脂などの軽量部材の使用に適しています。

スプリングピンの規格

スプリングピンは、縦方向の隙間が適応する下穴に挿入した時に接触しない事が規格の一つです。また端部分は、面取りがしてあります。面取りはスプリングピンが下穴に入りやすくする為の加工です。方面取り形と両面取り形があり、面取りがしてある部分が挿入方向です。

スプリングピンの種類は、一般用と軽荷重用に分かれます。それぞれ特徴があるので、下記に紹介していきます。

スプリングピン(一般用)

一般用のスプリングピンは、簡易締結や位置決めによく使用されます。せん断荷重を大きくしたい場合は、径の異なるスプリングピンを2つ用いるダブルピンの使用が適しています。

縦方向の隙間は、直線と波形の形状のものがあります。波形の方がからみにくく、挿入しやすいです。用途によって使い分けるとよいでしょう。

スプリングピン(軽荷重用)

軽荷重用のスプリングピンは、ヒンジやせん断荷重の小さな箇所に使用されます。一般用に比べて挿入に要する力は小さくなります。

また製品の絡み防止の為に、縦方向の隙間は波形になっています。板厚が薄いのが特徴で、一般用波形よりさらに絡みにくく、挿入しやすいです。

スプリングピン使用上の注意点

スプリングピンは、正しい使い方や選定をしないと不具合の原因になってしまいます。下記にスプリングピンを使用する時の注意点を紹介していきます。

振動方向がピンの軸に平行な所に使用するのは、避けた方がよいでしょう。振動でピンが脱落する可能性があります。

締結部品の下穴を個々に加工する場合は、せん断荷重を受ける穴のC面取りは必要ないです。面取り部分がせん断荷重を受けられず、締結が甘くなります。

締結部品の下穴を個々に加工した場合、穴の中心の相違はピンの縦方向の隙間が密着しないようにする必要があります。隙間が密着してしまうと、本来のスプリング効果が得られず、しっかり固定されない可能性があります。

せん断力が問題となるような個所には、取り付け時のピンの隙間方向に注意が必要です。荷重方向に向くように縦方向の隙間を置くと、破断荷重が大きくなり破損しにくくなります。

下穴にピンを挿入した状態で、相手物を繰り返し回転させるとピンが抜け出る可能性があります。

スプリングピンの使い方

スプリングピンの使い方は、基本的にはスプリングピンを入れる事です。どんな用途に使う時も、スプリングピンを相手の穴に入れる事が必要です。

また入れたスプリングピンを、どうしても抜かなくてはいけない場合もあります。メンテナンス時や解体を行う場合です。つまりスプリングピンの使い方とは、入れると抜くの2種類なのです。

ではどのようにスプリングピンを使えばよいのか、下記にスプリングピンの入れ方とスプリングピンの抜き方について詳しく解説していきます。

スプリングピンの入れ方

スプリングピンは、下穴にスプリングピンを当てて上からハンマーで軽く叩くと簡単に打ち込めます。ただし軽く叩いても入らない場合は、無理に叩き込んではいけません。スプリングピンの端が潰れてしまう可能性があるからです。

入りにくい場合は、下穴を0.1mmくらい広げるとよいでしょう。なお下穴サイズは、カタログなどに記載されているので必ず確認するようにしましょう。

スプリングピンの端が潰れる事が気になる場合は、万力やデバイスを使うとよいでしょう。ピンを少し差し込み、万力やデバイスで挟んで締めていきます。スプリングピンを圧入する為、ピンの端の潰れる事がなくきれいに仕上がります。

スプリングピンの抜き方

スプリングピンは、通し穴で使用するのが一般的です。例外ですが止まり穴に使用した場合、抜く事は非常に困難になります。ここでは通し穴で使用した場合の抜き方を解説していきます。なお抜いたスプリングピンは、破損している可能性があるので再利用しない方がよいでしょう。

初めに下穴に打ち込んであるスプリングピンを、潜らなくなるまで叩きます。次にスプリングピンの穴以上、下穴未満の径のピンなどを押し当てて叩くと抜けてきます。

ただしこの方法には、スプリングピンを押し抜くための丁度良い径のものが必要です。この作業に最適なのはピン抜きポンチです。ピン抜きポンチは、数種類のサイズがセットになっているものが多いです。色々なサイズのスプリングピン対応できます。また叩く時のショックを和らげるグリップ付きのものもあります。

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まとめ

スプリングピンとは、薄板を円筒状に湾曲させ熱処理を施した縦方向に隙間があるピンです。たわみの働きを利用し、ピン自体がセルフロックするのが特徴です。また求められる下穴の精度が、ドリル穴程度で済むので簡単に利用できます。

スプリングピンの入れ方は、ハンマーで軽く叩きこむという簡単な方法です。入りにくい場合は、下穴を0.1mmくらい広げるか万力やデバイスを使うとよいでしょう。万力やデバイスを使うと、スプリングピンの端が潰れることなく仕上がりがきれいになります。

スプリングピンは、スプリングピンの穴以上、下穴の径未満のもので叩くと抜けます。ピン抜きポンチは、スプリングピンを抜くのにちょうどよいサイズの道具です。ショックを和らげるグリップ付きのものもあります。

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