イダリングとは?ゆるみ止めナットの使い方を解説!

この記事は、いくつかあるナットのゆるみ止め方法のひとつ、イダリングの使用について詳しく紹介します。イダリングはダブルナットのようにナットと重ねて使用しますが、高いゆるみ止め効果がありながらスペースやコストの削減といったメリットがあります。

イダリングとは?ゆるみ止めナットの使い方を解説!のイメージ

目次

  1. 1イダリングとは?
  2. 2イダリングの特徴
  3. 3イダリングのゆるみ止め原理
  4. 4イダリングの使用方法
  5. 5イダリングの使い方
  6. 6イダリングの使い方の注意点
  7. 7ねじのことでお困りならツルタボルトがおすすめ!
  8. 8まとめ

イダリングとは?

イダリング

イダリングは、ナットのゆるみ止めに使われる板状のナットです。ボルトなどのオネジをナットで固定した箇所に、衝撃や振動などの要因が加わると軸力低下を起こし、多くの場合にナットはゆるんでしまいます。

しかしイダリングは、ナットとボルトなどのネジ山の間にくさびを打ち込み、隙間を無くすことで摩擦力を発生させ、大きなゆるみ止め効果を発揮します。

海外でも『IDA RING』として販売されており、ナット固定が採用される建築物や機械設備といった大型のものから、自動車部品や弱電分野などまで幅広く使われています。

イダリングの特徴

イダリング

イダリングには以下のような特徴があります。

  • ねじ山の間に打ち込むことで摩擦力を発生させて、回転、非回転ゆるみを抑制します。
  • 板状のため厚みが薄く、特別なスペースを必要としませんので、ボルト長の選定に影響を与えません。また施行に必要なねじ山が少ないため、ボルトなどの長さに余裕が取れない場合でも使用可能です。
  • 比較的安価なため、ローコストでゆるみ止め対策が行えます。
  • 板状で薄く軽量なため、施工対象物の重量増加を軽減します。
  • 通常のナット締結と同様に特殊な工具を必要とせず、簡単に着脱可能です。締結ナットの上から締め付けるだけの簡単な施工でゆるみ止め対策が可能です。
  • 何度か繰り返し使用が可能です。

イダリングのゆるみ止め原理

イダリング

イダリングのゆるみに対するアプローチは、オネジとメネジの隙間を無くして摩擦力を得ることです。この隙間はねじ山の製作精度や締め付け時の弾性などによって生じます。これに振動や衝撃などが加わり、ねじ部の接触面が動くことにより面圧力の低下をまねき、ゆるみの発生につながります。

これを防ぐ手段のひとつとしてダブルナットがあります。ダブルナットのゆるみに対するアプローチはイダリングと同様で、この隙間を無くすことです。施工もイダリングと同様にナットの上から更にナットを重ねて、それぞれに締結力の保持と隙間を無くす役割を持たせます。

イダリングとダブルナットの違いは、隙間を無くす方法にあります。ダブルナットは締め戻したナットで締結ナットを押し上げるのに対し、イダリングは特徴であるくさび部をねじ山へ打ち込みます。

 

これによりねじ山接触面に摩擦力を発生、保持させることにより接触面圧力の低下を防ぎ、ゆるみを抑制します。

イダリングの使用方法

イダリング

イダリングのゆるみ止め効果を十分に得るためには、適切な方法で施行することが重要です。

ここでは、イダリングの使用法について解説します。

イダリングの使い方

イダリング

イダリングの使用手順は下記の通りです。

  1. ボルト・ナットと同じ呼び径のものを準備します。
  2. まず、ボルトなどにナットを通常通り締め付けます。
  3. イダリングの座面を下に(ナットと接触するように)して取り付けます。
  4. トルクを感じる(が発生する)まで、イダリングを手で回し締め付けます。
  5. スパナやレンチなどを使い、円周方向へ1/3〜1/4回転させて締め込みます。


リング内縁のくさび部がねじ山に打ち込まれれば取り付け完了です。

イダリングの使い方の注意点

イダリング

簡単にゆるみ止め対策が行えるイダリングですが、いくつか注意点があります。まず、イダリングの向きを間違えずに取り付けましょう。座面を下(ナットと接触)に取り付けるのが正しい使用方法です。

イダリングは板材であるため、メーカーの設計(想定)トルクを超えて締め付けられた場合は変形してしまう可能性があります。手締めのあとにスパナやレンチなどで締め付ける際には注意し、設計サイドやメーカーからの締め付けトルクの指定がある場合は、十分にトルク管理を行って施行しましょう。

また、ねじがゆるむ原因には、振動や衝撃といった回転方向へのゆるみの他に、例えば素材の経時変化によって進むクリープゆるみといった非回転ゆるみが存在します。イダリングは原理的に非回転ゆるみに対しての効果は限定的です。

ねじのゆるみに関しては様々な要因があるため、イダリングの使用はあくまでも対策のひとつとして考える方が良いでしょう。

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イダリング



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まとめ

イダリング

この記事はイダリングについてご紹介しました。イダリングは板状のナットであり、そのくさびをねじ山に打ち込み、隙間を無くすことでゆるみを抑制します。

またダブルナットを始めとする他のゆるみ止めと比較して、コスト削減や設計の容易さ、特別な施工スペースを必要としないといったメリットがあります。

ナット締結において、その緩みはつきものであり、対策なしでは重大なトラブルにつながる危険性があります。ゆるみ止め対策として、既存のナット部にそのまま適用できるイダリングの使用を検討してみてはいかがでしょうか。

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