2020年07月05日公開
2020年10月19日更新
アイボルト|ねじ・規格・特徴
アイボルトは、別名をつりボルトとも呼ばれ、頭部のリング状になった部分にワイヤーやチェーンを引っ掛けて重量物を持ち上げるのに利用されています。その他、柱などに取り付けてチェーンを引っ掛けたりします。今回はアイボルトの特徴や用途、規格について紹介します。

アイボルトとは?
アイボルトは、別名をつりボルトとも呼ばれ、頭部がリング状になったボルトです。このリング状の部分が破損したり変形したりしないように保証荷重が決められています。
アイボルトが破損するようなことが起きれば、大きな事故につながる恐れがありますから、JIS規格では「重要保安部品」として取り扱われています。
材料、製造方法、引張試験方法といった細かな規定があり、ネジの呼びや製造業者の略号の表示なども義務付けられています。
アイボルトの「アイ」とは、英語で「EYE」という意味で、丸い目をイメージした上部のリング状の部分を指します。
アイボルトの特徴
アイボルトは、他のボルト類とは違って形状の種類がほとんどありません。アイボルトは一般的な種類のものと、足長と呼ばれるネジの部分が長めのものと2種類しかないのが通常です。
他のボルト類は部材を固定する目的で使用されますが、アイボルトではリングの部分にワイヤーやチェーンを引っ掛けたりするために、対象の部材にネジで固定することを目的としています。
アイボルトの用途
アイボルトは、設備の上部に取り付け、リングの部分にフックやロープなどを引っ掛け、人の手では持ち上げられない重量のある筐体などを吊り上げることが一般的な用途です。
その他、アイボルトの用途には、チェーンなどにつなげるために、対象の部材に取り付けることもあります。
この用途だと、アイボルトは吊り上げ用でなく、チェーンなどをつなげるだけですから、保証荷重を考える必要がありません。
アイボルトは、個人ではあまり購入するという機会はありませんが、街中など身の回りで多く使用されているボルトです。
アイボルトが使われている物
アイボルトが使われる物は、重量のある筐体などの上部に取り付けてリングに引っ掛けて持ち上げるために使われます。
また、重量物を持ち上げるため以外にも、コンクリートなどの柱に取り付けて、チェーンなどを引っ掛けるために使われています。
他には、小型飛行機の翼の下に取り付けて、強風の時にロープやワイヤーで機体を地面に固定させるために用いられています。
その他、工事現場などに良く見られる簡易トイレの上部には8個のアイボルトが付いていますが、簡易トイレを移動する時にこのアイボルトに引っ掛けて吊り上げたりします。
街中でよく見かけるものに自動販売機がありますが、この自動販売機の側面にアイボルトが取り付けてある場合があります。この場合、自動販売機の転倒防止として、ワイヤーを取り付ける際に、アイボルトが使われています。
このケースでは、雨や風にさらされることも多いですから、防錆効果のあるメッキを施した製品を使用します。
アイボルトの規格
アイボルトの規格には、径の他に垂直吊りと45度吊りの使用荷重の規格があり、垂直吊りはアイボルト1個にかかる荷重であり、45度吊りは同一平面上にある2個のアイボルトにかかる荷重です。
まとめ
今回は、アイボルトとはどんなものなのか、その用途や特徴などを紹介しました。
・アイボルトは、別名をつりボルトとも呼ばれ、頭部がリング状になったボルトです。アイボルトの「アイ」とは、英語で「EYE」という意味です。
・アイボルトは、他のボルト類とは違って形状の種類がほとんどなく、一般的なものと足長と呼ばれるネジの部分が長めのものと2種類しかないのが普通です。
・アイボルトは、設備の上部に取り付け、リングの部分にフックやロープなどを引っ掛け、人の手では持ち上げられない重量のある筐体などを吊り上げることが一般的な用途です。
・アイボルトが使われる物は、重量のある筐体などの上部に取り付け、リングに引っ掛けて持ち上げるために使われるのが一般的です。
・アイボルトの規格には、径の他に垂直吊りと45度吊りの使用荷重の規格があります。