2019年11月29日公開
2020年06月08日更新
ねじ規格・サイズ選定表について【頭部形状/インチも記載】
ねじは自動車や家電、パソコン、バイクなど様々な工業製品に使われており、無くてはならない部品となっています。ねじを工業製品に使う時は、規格やサイズ、組合せなどを間違えてはいけません。本記事ではねじの規格やサイズの選定表などについて紹介します。

ねじ規格とは
ねじは性能面や安全性を確保するためにも、正規のサイズ、寸法を選択して使わなくてはなりません。ねじの規格には以下の2点があり、JIS規格はISO規格に近づけようとする傾向にあります。またISOは元々外国で制定された基準(フランスなど)でそれを日本語に訳して日本の規格に合わせたものがJIS規格です。
- JIS規格(Japanese Industrial Standards):日本工業規格
- ISO規格(International Organization for Standardization):国際標準化機構
ただ、JIS規格はISOに存在しないねじを並存させている上、規格のねじの名前と通称のねじの呼び方が違っていることもあり難解な感じはします。ねじの規格は世界的にみても異なることが多く、SIねじ(フランス)、ユニファイねじ(アメリカ)、bspねじ・ウィット細目ねじ(イギリス)がありますが、ISOねじに統合するようになりました。
ねじ規格JISの種類
ねじ規格JISの種類には、メートルねじ(並目ねじ)、メートル台形ねじ(メートルテーパねじ)、ユニファイ並目ねじ(インチねじ)、ユニファイ細目ねじ(インチねじ)、管用ねじ(管用平行ねじ、管用テーパねじ)などがあります。
【メートルねじ(並目ねじ)】
JIS B 0205:2001に記載されており、ねじの記号はMの他、M6、M8×1などとなっています。角度(ねじ山)は60度です。
【メートル台形ねじ(メートルテーパねじ)】
JIS B 0216:1987に記載されており、ねじの記号はTr、Tr 9×2などとなっています。角度(ねじ山)は29度や30度です。
【ユニファイ並目ねじ(インチねじ)】
JIS B 0206:1973に記載されており、ねじの記号はUNC、1/4-20 UNCなどとなっています。角度(ねじ山)は60度です。
【ユニファイ細目ねじ(インチねじ)】
JIS B 0208:1973に記載されており、ねじの記号はUNF、3/8-24 UNFなどとなっています。角度(ねじ山)は60度です。
【管用平行ねじ】
JIS B 0202:1999に記載されており、ねじの記号はG、G 1/8などとなっています。角度(ねじ山)は55度となっています。
【管用テーパねじ】
JIS B 0203:1999に記載されており、ねじの記号はR、R 1/4、r2/1、ネジPT、PT 1/8などとなっています。
ねじ規格JISとISOの違い
ISO規格で存在しないネジもまだ多くあるので、JIS規格で規格として残されています。ただ、JIS規格は国際的なISO規格に近づけるようしているので、違いは少なくなり、ほぼ同じと考えてもよいです。ISO規格にはないサイズのねじがあるという理由によってJIS規格は残っています。例えば管用平行ねじなどがあります。
ねじの頭部形状(ピッチ)
ねじは頭部形状(ピッチ)の違いから並目ねじと細目ねじの2種類があります。また全ねじは首下が全てねじ山になっており、半ねじは首下の一部がねじ山となっています。
並目ねじ
例えば、多くのメートル並目ねじのピッチは、M3は0.5、M4は0.7、M5は0.8、M6は1.0、M8は1.25、M10は1.5、M12は1.75となります。並目ねじは細目ねじと比較して、短時間で作業ができたり、かじりづらかったりする利点があります。ねじのかじりとは、ねじを締め付ける際に、回せなくなってしまう状態です。ねじがかじってしまう原因には、ねじ山に異物が入ったり、摩擦熱が発生したりすることが考えられます。
細目ねじ
前述した並目ねじのピッチより小さいピッチのねじを細目ねじといいます。細目にねじは並目ねじと比較して、弛みづらく、破断や折損に対して強くなる利点があります。
ねじのミリ・インチ表記の見方
【ミリねじの表記】
ミリネジに「M8 P1.25」と表記されている場合は、「M」はJIS規格が定めた呼びのことを示します。「M8」の場合はねじの外径が8mmであることを示しています。次に表記されている「P」はピッチのことでねじ山とねじ山の距離のことを示しています。「P1.25」はピッチが1.25㎜あることを示しています。
【インチねじの表記】
インチねじの表記は1インチを基準にしており、1インチは25.4㎜と考えます。例えばインチネジに「UNC 3/4-10×5/8」と表記されている場合、「UNC」からユニファイ並目ねじであることを判断します。次に表記されている「3/4」はねじの太さをあらわしています。ねじの太さは、25.4㎜(1インチ)×3/4=約19.05mmとなります。
次に表記されている「10」は1インチの中にある山の数のことです。最後の「5/8」はねじの長さを示しており、ねじの長さは、25.4㎜(1インチ)×5/8=約15.88mmとなります。
おねじとめねじの違い
おねじは外周にネジが刻まれており、ボルトやスクリューなどを示します。めねじは内周にネジが刻まれていており、ナットなどを示します。ボルトとナットは組み合わせて部材を締結します。ただ、すでにめねじの山が刻まれている部材もあって、ボルトを挿入して締め付けるだけで部材と部材が結合できる場合もあります。
またタッピングねじは締め付ける際に下穴にめねじのネジ山を切りながらねじ込むことができます。
ねじ規格・サイズ選定表
ここでは、ねじを選定する際に、メートル並目ねじとメートル細目ねじの基準寸法の違いが分かるねじ規格・サイズ選定表を紹介します。
ねじの呼び(mm) | メートル並目ねじの基準寸法(mm) | メートル細目ねじの基準寸法(mm) | ||||||||
ピッチ(P) |
めねじ | ピッチ(P) | めねじ | |||||||
谷の径D | 内径D1 | 谷の径D | 内径D1 | |||||||
おねじ | おねじ | |||||||||
外径d | 谷の径d1 | 外径d | 谷の径d1 | |||||||
M3.5 | 0.6 | 3.5 | 2.85 | 0.35 | 3.5 | 3.121 | ||||
M4 | 0.7 | 4 | 3.242 | 0.5 | 4 | 3.459 | ||||
M4.5 | 0.75 | 4.5 | 3.688 | 0.5 | 4.5 | 3.959 | ||||
M5 | 0.8 | 5 | 4.134 | 0.5 | 5 | 4.459 | ||||
M6 | 1 | 6 | 4.917 | 0.75 | 6 | 5.188 | ||||
M7 | 1 | 7 | 5.917 | 0.75 | 7 | 6.188 | ||||
M8 | 1.25 | 8 | 6.647 | 1 | 8 | 6.917 | ||||
M9 | 1.25 | 9 | 7.647 | 1 | 9 | 7.917 | ||||
M10 | 1.5 | 10 | 8.376 | 1.25 | 10 | 8.647 | ||||
M11 | 1.5 | 11 | 9.376 | 1 | 11 | 9.917 | ||||
M12 | 1.75 | 12 | 10.106 | 1.25 | 12 | 10.647 | ||||
M14 | 2 | 14 | 11.835 | 1.5 | 14 | 12.376 | ||||
M16 | 2 | 16 | 13.835 | 1.5 | 16 | 14.376 | ||||
M18 | 2.5 | 18 | 15.294 | 1.5 | 18 | 16.376 | ||||
M20 | 2.5 | 20 | 17.294 | 1.5 | 20 | 18.376 | ||||
M22 | 2.5 | 22 | 19.294 | 1.5 | 22 | 20.376 | ||||
M24 | 3 | 24 | 20.752 | 2 | 24 | 21.835 | ||||
M27 | 3 | 27 | 23.752 | 2 | 27 | 24.835 |
ねじのことならツルタボルトがおすすめ!
ねじのことなら、新潟県内に本社があり豊富な種類のねじに対応している「ツルタボルト株式会社」がおすすめです。
ツルタボルトでは燕三条で培った確かな技術と経験で、特殊オーダー品も低コストで迅速に対応する事が可能です。
また、ボルト・ねじ類から機械・工具まで常時30,000点の在庫数で最適な製品を提案してくれます。今後はボルト・ナットを超えて、締結用品全般・締結を補助する工具などの情報・知識の提供などを顧客に提供していきます。
ねじメーカーでの就業を検討の際は、一度ツルタボルトへ相談してみると良いでしょう。
まとめ
【ねじ規格は次の2種類】
- JIS規格(Japanese Industrial Standards):日本工業規格
- ISO規格(International Organization for Standardization):国際標準化機構
【ねじ規格JISの種類は次の5種類】
- メートルねじ(並目ねじ)
- メートル台形ねじ(メートルテーパねじ)
- ユニファイ並目ねじ(インチねじ)
- ユニファイ細目ねじ(インチねじ)
- 管用ねじ(管用平行ねじ、管用テーパねじ)
- JIS規格は国際的なISO規格にほぼ同じ。
- ねじの頭部形状(ピッチ)は並目ねじと細目ねじがある。
- 並目ねじの利点は細目ねじと比較して、短時間で締められたり、かじりづらかったりする。
- 細目にねじの利点は並目ねじと比較して、弛みづらく、破断や折損に対して強くなる。
【ミリねじの表記】
ミリネジ:「M8(呼び:mm) P(ピッチ:ネジ山とネジ山の距離)1.25(mm)」
【インチねじの表記】
「UNC(ユニファイ並目ねじ) 3/4(ねじの太さ:mm)-10(1インチの中にある山の数:mm)×5/8(ねじの長さ:mm)」