ねじの種類と形状まとめ!用途の違いについても解説

ねじには非常に多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。今回の記事では「ねじ」についての理解を深めた後に、13種類のねじについて詳しく解説し、それぞれのねじの種類と特徴、用途に合わせてねじを選択できるなるための情報を解説します。

ねじの種類と形状まとめ!用途の違いについても解説のイメージ

目次

  1. 1ねじとは
  2. 2ねじの種類と特徴・形状
  3. 3ねじの種類・形状別の用途一覧
  4. 4ねじのことならツルタボルトがおすすめ!
  5. 5まとめ

ねじとは

ねじとは

ねじとは「おねじ」と「めねじ」が組み合わさったものをいいます。

ここではねじに対する基本的な知識の確認と、ねじとボルトの違いについての解説をします。

ねじとは

ねじとは、円筒や円すいの外面あるいは内面にらせん状の突起をつけたもののことを指し、らせん状の溝があるもので、ねじはこれをうまく組み合わせることによって部品を固定したり、あるいは運動させたりなど、様々なことに利用することができます。近年DIYが流行っていますので身近な工作部品です。

ねじは回転させてモノとモノとを結合させるため、縦方向に抜けにくいという利点があります。また、ねじには様々な種類があり、それぞれJISによって詳細に規格化されています。

おねじとめねじの違い

おねじとめねじはJISの用語記述では以下のようにいわれています。
 

  • おねじ:ねじ山が円筒形又は円錐の外面にあるねじのこと
  • めねじ:ねじ山が円筒形又は円錐の内面にあるねじのこと

ねじは「おねじ」と「めねじ」に分かれており、同じ種類同士では接続できずに、「おねじ」と「めねじ」の組合せのみ接続が可能となっています。JISで規定されている代表的なねじはメートルねじであり、長さの単位はミリメートル(mm)で表すことができ、ねじの大きさを表す表記として「外径」と「内径」が使われます。

ねじとボルトの違い

本棚を自作する、庭にウッドデッキを作るといった日曜大工をする際にねじのほかにボルトやナット、ビスを使用する事もあります。ボルトやナット、ビスは大きく分類するとねじの一種です。

ボルトを固定するためにナットを使用するため、ボルトとナットは1セットで使用する事が多いです。またボルトは側面に溝がついている種類で、通常は8mmよりも大きなものがあります。またナットと組んで使わないボルトもあり、その場合は直径が比較的大きく、先がとがっていないおねじの事を指しています。

ねじの種類と特徴・形状

ねじの種類と特徴・形状

ここでは13種類のねじの特徴と形状についてそれぞれ解説します。

1.皿小ねじ

まずは皿小ねじの特徴・形状を解説します。

皿小ねじの特徴

皿小ねじは上面が平らで座面が円錐形という形状の頭をしています。
呼び長さを表すときほかのねじでは軸の部分の長さを表すことが多くなっていますが、皿小ねじでは頭からの長さを表すため、同じ呼び長さのほかのねじより短く見えることがあります。

皿小ねじの使用場所は扉のちょうつがいなど住宅設備に多く使われており、ねじ締結している部分からねじの頭部を出したくない時に使います。ただ使用する場合は、ねじ締結面にザグリ加工と呼ばれる加工が必要となります。

皿小ねじを選ぶ理由としては締結するところに接する物が何かある時や、締結するところを見せたいなど見栄え上が理由で選ぶことが多いねじです。

皿小ねじの形状

皿小ねじは上面が平らで座面が円錐形の頭部になっているのが形状として最大の特徴となっています。皿小ねじという名前の通り、皿のような形状をしているため、このような名前になったといわれています。

また長さに関しても特徴があり、ほかのねじと同じ長さ20mmでも皿ねじの方がネジの部分の長さが短くなります。

2.丸皿小ネジ

次は丸皿小ネジの特徴と形状を解説します。

丸皿小ネジの特徴

丸皿小ネジは基本的には皿小ネジと同じ用途ですが、皿の上面に丸みがついた形状をしています。丸皿の皿は部材と面一にすることができますが、表面に何かを滑らせたときにすりわりの溝や十字穴のくぼみに引っかかることがあります。

また丸皿は平らにすることはできませんが、すりわりや十字穴への引っかかりを防ぐことができます。すりわりの溝や十字穴のくぼみを皿より深くすることができるため、ドライバーとしっかりかみ合わせることができるのが特徴です。

※すりわり:マイナスドライバーで回すねじ頭がついているものをイメージしてください。

丸皿小ネジの形状

丸皿小ネジの形状は皿小ねじ頭部の平らな部分にやや丸みをつけた形状になっています。

丸皿小ねじは皿小ねじと同じように長さの表しかたが他のねじと異なるのが特徴となっています。ただ、皿小ねじとも長さの表し方が異なり、皿小ねじが全長を呼び長さと表すのに対して、丸皿小ねじはつばの部分からねじ部先端までをねじの長さとして表します。

丸皿小ネジはあまり出っ張らせたくはないけれども、平らにするのも嫌なときに使われ、ドアやドア枠、ドアノブ、歩道の手すりなどによく使用されています。
 

3.ナベ小ネジ

次にナベ小ネジの特徴と形状を解説します。

ナベ小ネジの特徴

ナベ小ネジは最も多く使われている、代表的な小ネジとなります。ナベ小ネジは小ネジでも一番多く使われる形となっており、頭部は高さがあるため、ドライバーを使いやすいことが特徴で、小ネジを強く締め付けることができます。

ナベ小ネジは安価で使用用途も広いため単体でも使用されますが、平座金・ばね座金と共に使用されることも多くなっており家電や車両など様々な場所で使われています。

ナベ小ネジの形状

十字に切れた穴に上面の角に丸みを持たせた形状をしており、材質や表面処理・長さなど最も選択肢が多い形状となっており、一番よく使われているねじで、鍋のような丸みのある頭部の形が特徴です

決まった用途はなくいろいろな場所で使われていますが、小ねじ自体のサイズが12mmと小さいため、小さな部品の締結などに使われています。用途事例としてはパソコン本体、自転車のねじ、電気スタンドなどに使用されます。

4.トラス小ネジ

次にナベトラス小ネジの特徴と形状を解説します。

トラス小ネジの特徴

トラス小ネジはナベ小ねじと比較しても緩みにくく、座金を使わずに単体で使われることが多いのが特徴となっており、外見上が理由で選ばれることがあります。用途としては部材と接地面積が大きいため、重量物などをしっかり固定したい時に使われます。

トラス小ネジの形状

トラス小ネジは、頭部の外径が大きくなっており、形状において角がないため滑らかな形状となっており、締め付けた時にねじが目立ちにくくなっています。

5.バインド小ネジ

次にバインド小ネジの特徴と形状を解説します。

バインド小ネジの特徴

バインド小ネジは頭部が台形で上面が丸くなっており、なべ小ねじに比べてわずかに頭部の径が大きいのが特徴となっています。

バインド小ネジの使用方法としては一般的な締結に対して使用することが多くなっていますが、バインド小ネジは頭部の直径が大きいため、締結した部材の座面の陥没を防ぐ目的でなべ小ねじの代わりに使用される事や、トラス小ねじを使用したいものの頭部径が大きいねじを使用できない時にも使用され、代表的な使用方法としてはコンセントプラグの中の電線を締結するのに使用されています。

バインド小ネジの形状

バインドとは英語表記で「bind」と表記され「縁」という意味になり、バインド小ネジはトラス小ねじの頭部に縁を付けたような形状となっています。

バインド小ねじはトラス小ねじと同じようにナベ小ねじより頭部の径が大きくなっていますが、トラス小ねじよりは頭部の径は小さいため、なべ小ねじとトラス小ねじの中間のような形状となっています。

6.タッピングネジ

次にタッピングネジの特徴と形状を解説します。

タッピングネジの特徴

タッピングネジはめねじがなくても、部材にねじ立てしながらねじ込むことができるネジとなっており、下穴さえ開けておけばよいため薄い金属の板などであれば作業工程を減らすことができるという特徴があります。

普通の小ねじと比べるとねじ山のピッチが荒く、自分自身でねじ立てするため緩みにくい反面取り外しが多い場所には向いていません。またタッピングネジは木ねじの代用として使えますが、逆に木ねじはタッピングねじの代用としては使えません。
 

タッピングネジの形状

タッピングネジの形状というのは1~4種の4種類ありますが、4種が使われることはほとんどありません。その他にもタッピングネジの形状には先端が1/4カットされた溝付きもあります。その際、下穴はネジの太さや種類によって変わるため注意が必要です。

※ねじの1種~4種の意味は使う部材が木材か石綿か、金属かなどで分けられます。
 

7.六角タッピングネジ

次に六角タッピングネジの特徴と形状を解説します。

六角タッピングネジの特徴

六角タッピングネジは部材としてめねじが切られていなくても締結が可能なネジで部材に直接締結することができます。六角タッピングネジには主に部材が木材・薄鋼板などの場合に使用されることが特徴となっています。

六角タッピングネジの形状

六角タッピングネジはタッピングネジと形状は同じものの、頭の部分が六角となっています。タッピングネジには1種~3種あるものの主に六角タッピングネジは1種が使用されます。タッピングネジ1種の特徴としては先端が尖っており、タッピング1~3種の中ではねじ山とねじ山の間が一番粗いのもとなっており、薄鋼板・木材・ハードボード・石綿の場合に使用されます。

1種はねじ山とねじ山の間が最も荒く先端部まで尖っており、先までねじ山が立っているなど、ネジの太さや種類によって変わるため注意が必要です。

8.ドリルビス

次にドリルビスの特徴と形状を解説します。

ドリルビスの特徴

ドリルビスとは先端がドリル刃形状で鉄板などに下穴無しで施工を行うことができるねじとなっており、下穴空け・差し込み・締め付けが1本でできる非常に便利なねじとなっています。ドリルビスには薄い鋼板に対応したものから、厚いものでは9mm程度の厚さを打ち抜けるものまで用途に合わせ様々な種類が用意されています。
 

ドリルビスの形状

ドリルビスの形状に関しては頭部のかたちがさまざまなものがあり、もなべや六角、トラスなどがあります。

そのため、ドリルビスを使用する際は材料に合わせて選ぶことが重要になります。

9.木ネジ

次に木ネジの特徴と形状を解説します。

木ネジの特徴

木ネジとは木材同士を連結するなどの木工に用いるネジです。同じく木材を固定する釘と比べると、ドライバーを使う事で外すことが出来ることも特徴の一つです。注意点としては使用の際、下穴を作らないと木材が割れることがあります。

木ネジの形状

木ネジはタッピングネジと違い全長の2/3程度がねじ部になっています。そのため、中間に挟み込んだ材料にねじ山がかからないので、密着して締め付ける力が強まるほか、戻り止めやがたつきを防止することができます。木ネジの使用方法ははタッピングネジに似ていますが、タッピングネジとの見分け方としては木ネジはネジ部でない部分があるのでその部分で判断するようにします。

10.止めネジ

次に止めネジの特徴と形状を解説します。

止めネジの特徴

止めネジとは小ねじの一種で、締めつけたときにねじの先端に生じる圧力を利用して機械部品を固定するために使用されます。形としてはねじ部しかないような形をしていますが、すりわりや六角穴、四角頭などが付いています。

止めネジの形状

止めネジのねじ先端には平先・丸先・棒先・とがり先・くぼみ先などがあり、目的に応じて使い分けることができます。また頭部の形によって、すりわりつき・六角穴つき・四角止めねじなどがあります。

材料には機械構造用炭素鋼が用いられています。

11.座金組込ネジ

次に座金組込ネジの特徴と形状を解説します。

座金組込ネジの特徴

座金組込ねじとは、加工の段階で座金(ワッシャー)を組込んだ状態にしたねじのことをいいます。一般的に座金組込ねじは、座金だけではなく、緩み止め効果のある、スプリングワッシャーも同時に組み込んでいるのが特徴になります。

座金組込ねじのネジ径や長さなどはJIS規格で組み合わせが決められており、材質は鉄やステンレスなどを使用しています。

座金組込ネジの形状

座金組込ネジは座金が1枚だけのものをシングルセムス、2枚組み込んだものをダブルセムスといいます。
平座金だけのものや平座金とばね座金と組み合わせなど、さまざまな種類があるため目的に応じて選ぶことができます。

12.万能ビス

次に万能ビスの特徴と形状を解説します。

万能ビスの特徴

万能ビスは木ネジの一種となっています。ネジ部に 40 度と 60 度の高低 2 種のネジ山が切られており、保持力が大きく木部に関しては、強く固定することができます。

万能ビスの形状

頭部はラッパ形状で、高い山と低い山の二条ねじ構造となっており、先端カット付きとなっていますが、万能ビスは40 度の高いねじと60度の低いねじの二条が一般的となっています。

13.コーススレッド

次にコーススレッドの特徴と形状を解説します。

コーススレッドの特徴

コーススレッドは木材接合用のネジの一種となっています。 ネジ山が高く径が細いという特徴を持ち、ネジと釘の性質を併せ持つため、釘のように使えるのに釘の5倍以上の保持力を持っています。

コーススレッドの形状

コーススレッドは尖った先端とネジ山を持つビスとなっており、粗く深いネジ山を持っているネジ山の深さが最大の特徴となっています。このネジ山が打込みたい木材の肉をしっかりと捕まえ、すばやく強固に締結することが可能となっています。

ねじの種類・形状別の用途一覧

ねじの種類・形状別の用途一覧

ここまで多くの種類のねじを解説しました。ここではそれらのねじの種類・形状別の用途を一覧としてまとめました。

ねじの種類 用途
皿小ねじ 締結面に何か接する物がある場合や、締結面に凸部を作りたくない場
合に使われます。
丸皿小ネジ あまり出っ張らせたくはないけれども、平らにするのも嫌なときに
使われます。
ナベ小ネジ 小ねじ自体のサイズが12mmまでしかないので、小さな部品の締結な
どに使われています。
トラス小ネジ 部材と接地面積が大きいため、重量物などをしっかり固定したい時に
使われます。
バインド小ネジ 座金を使わずに単体で使われること多くなっています。
タッピングネジ 薄い金属の板であれば、部材にめねじがなくても使用することができます。
六角タッピングネジ 木材へ木ビスの代わりに使用したり、薄い鋼板に使用されたりします。
ドリルビス 薄い鋼板に対応したものから、厚いものでは9mm程度の厚さを打ち
抜けるものまであります。
木ネジ 同じく木材を固定する釘と比べると、ドライバーを使う事で外すこと
が容易であることが特徴がとなっています。
止めネジ 締めつけたときにねじの先端に生じる圧力を利用して機械部品を固定
するために使用されます。
座金組込ネジ 緩みや座面の陥没を防ぐために使われる座金を、予めネジに組み込ん
だねじのことをいいます。
万能ビス ネジ部に 40 度と 60 度の高低 2 種のネジ山が切られており、保持
力が大きく、木部に関しては、何に対しても強く締結できるビスと
なっています。
コーススレッド ネジ山が高く径が細いという特徴を持ち、ネジと釘の性質を併せ持つ
ため、釘のように使えるのに釘の5倍以上の保持力を持っています。

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ねじの事でお困りの際は、一度ツルタボルトへ相談してみると良いでしょう。

まとめ

まとめ

今回の記事はねじの種類と形状、用途の違いについても解説しました。今回解説したねじの種類は以下の種類となっています。
 

  1. 皿小ねじ
  2. 丸皿小ネジ
  3. ナベ小ネジ
  4. トラス小ネジ
  5. バインド小ネジ
  6. タッピングネジ
  7. 六角タッピングネジ
  8. ドリルビス
  9. 木ネジ
  10. 止めネジ
  11. 座金組込ネジ
  12. 万能ビス
  13. コーススレッド

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