「ねじ」と「ボルト」の違いをスッキリ解説!「ビス」との違いも!

ねじ、ボルト、ビス。これらはDIYや工業製品、車やバイクを作業する際に使われるものですが、それぞれの違いについて理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。このページではねじ、ボルト、ビスの基礎知識と違い、それぞれの種類や特徴について解説します。

「ねじ」と「ボルト」の違いをスッキリ解説!「ビス」との違いも!のイメージ

目次

  1. 1「ねじ」「ボルト」「ビス」の違い
  2. 2ねじの種類
  3. 3ボルトの種類
  4. 4ビスの種類
  5. 5ねじやボルトでお困りならツルタボルトがおすすめ!
  6. 6まとめ

「ねじ」「ボルト」「ビス」の違い

「ねじ」「ボルト」「ビス」の違い

物と物を締結させるための部品をねじ、ビスなど呼ぶ方が多いでしょう。DIYをしたことがあるならばボルトやナットを使ったこともあるとおもいます。普段「ビス」「ボルト」あるいは「釘」と呼んでいるものの、それらには大きな特徴があります。

では、ねじとボルトとビスはそれぞれ何が違うのでしょうか。ねじとボルト、ビスの基本的な役割と違い、特徴について解説します。
 

ねじ(ネジ)とは

ねじは螺子、捻子、捩子、螺旋と4つの漢字があります。一般的にはねじは漢字よりもひらがなやカタカナで表記されますが、意味合い的にはらせん状の溝が入っているものを指します。

ねじというと、六角形の頭が付いている六角ボルトを想像する方がほとんどだと思われますが、ねじはらせん状の溝が入っているものであり、軸部分の外側(側面)にらせん状の溝が入ったものを「おねじ」、内側(内面)にらせん状の溝が入ったものを「めねじ」といいます。

らせん状の溝をうまく組み合わせることによって部品を固定せせる、あるいは運動させるなど様々なことに利用することができます。ねじは回転させることで部材と部材を締結させるため、縦方向抜けにくいという大きなメリットがあり、様々な種類があります。またそれぞれJISで規格化されています。

ボルトもビスもねじ山があり、これらはすべてねじの種類の1つです。

ボルトとは

ボルトとは、前述の通りねじの種類の1つでねじの軸部分にらせん状の溝が入った「おねじ」をボルトといいます。

ねじの軸部分の側面にぎざぎざの溝が入っており物と物を締め、つなぎ合わせるために使う締結部品の1つです。基本的にナットとワンセットで使います。直径は比較的大きく、ナットとセットで使わないものもありますが、多くのボルトはナットとセット使用になっています。

ビスとは

ビスもらせん状の溝が入っているねじの種類の1つです。部材同士を締め付けたり、固定する役割があり内装や屋根、外装などさまざまな工程で使用されています。ビスの先端は尖っておりらせん状のねじ溝が付いていることが特徴で、ねじ山がついていることで引っ張る力に対して釘よりも強度が強く、インパクトドライバーを使用し回転させ打ち込んでいきます。

ビスには大きく分けると全ネジと半ネジの2つの種類があります。全ネジはビス全体にネジが切ってあるもの、半ネジはビスの先端部分から半分程度までネジが切ってあるものをいいます。

全ネジは頭部が取れても、ネジ部分が埋まったまま締め付ける力を保持することができる性質があります。半ネジは先端のみにネジ山があるので、木材同士を隙間なく締め付けることができます。ビスは全長が短いものは全ネジであることが多く、長いビスを使用したい時には全ネジか半ネジを目的に合わせ検討しましょう。

釘(くぎ)との違いは?

釘もビスもどちらも部材同士を固定するもので、ねじの1つです。木材や鉄、コンクリート、アルミ、プラスティックなどの部材同士を固定させるために使用します。釘とビスとの大きな違いは締め付ける工具が異なる点です。釘はハンマーを使って打ち込むのに対し、ビスは頭部の+、-のどちらかを電動ドライバーやインパクトドライバーなどで回すことで締め付けることができます。

昔の日本建築では釘がよく使われていましたが、現在の建築ではビスが圧倒的に多くなっています。強度もどちらもあるので、一概には言えないもののビスのほうが引きにくいと言われています。性質的にビスは引き抜きの力に対し強く、木材同士を繋ぎ合わせる際にはビスのほうがしっかりと固定されます。

ねじの種類

ねじの種類

ボルトやビス、釘もネジの種類ですが、ここでは、ねじの中でも小ねじと呼ばれるものについて代表的なものをご紹介します。小ねじはネジの外径が比較的小さい頭部のおねじを指し、めねじが付いている部材やナットと対で使用されます。JISでは呼び径8mm以下が規格化されているものの、8mm以上のものも流通しています。

また、小ねじの頭部形状には様々な種類や、同じめねじに使用する小ねじでも必要に応じて選ぶことができます。ねじ山の規格や材質にも種類があります。こちらでは代表的な以下7種類について解説します。
 

  1. 皿小ネジ
  2. ナベ小ねじ
  3. 丸皿小ねじ
  4. トラス小ねじ
  5. バインド小ねじ
  6. アプセットボルト(アプセット小ねじ)
  7. マイクロネジ(0番ねじ)

1.皿小ネジ

頭部が平らで座面が円錐形になっているのが皿小ねじの特徴です。名前の通り、お皿のような形状をしていることから皿小ねじと呼ばれるようになりました。皿小ねじの寸法を測定する際には注意が必要です。呼び長さ(L寸法)を表す際、他のネジは軸部分の長さを表すことがほとんどですが、皿小ねじでは頭部からの長さを表します。そのため、皿小ねじは他の同じ呼び長さのねじよりも全長が短くなっています。

皿小ねじの使用場所は扉のちょうつがいなど住宅設備に多く使われており、ねじ締結している部分からねじの頭部を出したくない時に使います。ただ使用する場合は、ねじ締結面にザグリ加工と呼ばれる加工が必要となります。

2.ナベ小ねじ

ナベ小ねじは現在、一番多く使用されている小ねじです。頭部が鍋をひっくり返したような形状をしていることから、この名前となりました。知名度使用頻度からねじの代名詞と言ってもよいでしょう。

頭部の角は丸くなっており、現在のナベ小ねじはほとんどがプラスドライバーで締め付ける十字穴(+)タイプとなっています。皿小ねじに比べドライバーにしっかりと噛み合うので、強く締め付けることができます。

決まった用途はなくいろいろな場所で使われていますが、小ねじ自体のサイズが12mmと小さいため、小さな部品の締結などに使われています。用途事例としてはパソコン本体、自転車のねじ、電気スタンドなどに使用されます。

3.丸皿小ねじ

丸皿小ねじは皿小ねじの頭部が平らな部分にやや丸がついた形状となっています。丸皿小ねじは皿小ねじ同様に、呼び長さの表し方が他のねじと異なります。ただし、皿小ねじが全長を呼び長さで表すのに対し、丸皿小ねじはつば部分からねじ部の先端までをねじの呼び長さとします。

丸皿小ねじに限らず、おねじの長さは図面上の表記にLと書かれているのが一般的です。丸皿小ネジはあまり出っ張らせたくはないけれども、平らにするのも嫌なときに使われ、ドアやドア枠、ドアノブ、歩道の手すりなどによく使用されています。

4.トラス小ねじ

トラス小ねじは頭部形状が丸く、ナベ小ねじに比べ頭部の高さが低く、頭部径は大きいのが特徴です。英語表記では「truss」となり、これは三角のtriからきたと思われます。

トラス小ねじは他の小ねじ類と比べ、頭部外径が大きいので、部材と接地面積が大きく、緩み止め効果が期待できます。部材と接地面積が大きいため、重量物などをしっかり固定したい時に使われます。

5.バインド小ねじ

バインド小ねじは頭部が台形で上面は丸くなっています。ナベ小ねじに比べ少しだけ頭部径が大きいのが特徴です。バインド小ねじはトラスこねじと同様、ナベ小ねじよりも頭部径が大きく、逆にトラス小ねじよりは小さいので、ナベ小ねじとトラス小ねじの中間のような形状となります。

英語表記では「bind」となり「縁」という意味もあります。トラス小ねじの頭部に縁が付いたのがバインド小ねじと覚えておくとよいでしょう。座金を使わずに単体で使われることが多くなっています。

6.アプセットボルト(アプセット小ねじ)

アプセットボルトは名前の由来でもある凹みと十字穴を持つ六角形の頭部が特徴です。色々な工具を使用できるのも強みで、この他にも±形状の十字穴を持つアプセットボルトもあります。

アプセットボルトはモンキースパナを頭部の六角形にあてて使用し、プラスドライバーは十字穴に差し込んで使用します。ほかにも使用可能工具はたくさんありますが、基本的にはこの2つの締め方ができると覚えておけばよいでしょう。

7.マイクロネジ(0番ねじ)

マイクロネジは別名0番ねじと呼ばれ、一般的に通常の小ねじよりも頭部の高さや径が小さく、JISの規格では精密機械用十字穴付き小ねじ(0番小ねじ)と記載されています。

同企画では呼び径がM1.4~M2.6までの記載があるものの、現在ではM1.2やM1.0も流通しています。0番のプラスドライバーを使う小ねじは0番ねじという捉え方をされることが多くなっています。0番の事を♯0と表記する場合もあります。

ボルトの種類

ボルトの種類

ボルトの種類には、六角ボルト、座金組込六角ボルト、六角穴付ボルト・キャップボルト、ボタンキャップボルト、皿キャップボルト、アイボルト、蝶ボルト、Uボルト、アジャストボル、アンカーボルト、羽子板ボルト、スタッドボルトなどたくさんの種類があります。その中で代表的な以下4種類について解説します。
 

  1. 六角ボルト
  2. 六角穴付ボルト
  3. アイボルト
  4. チョウボルト

1.六角ボルト

六角ボルトはどこにでもあるボルトの中でも最もポピュラーなボルトです。建築関係、自動車部品、産業機械などにも使われ安価なことからホームセンターでも販売されています。六角ボルトは一般的にナットとワンセットになっていることが多く、頭部は名前の通り六角形のねじです。一般的に「ボルト」と言えば、六角ボルトを指すことが多いです。

六角穴のある六角穴付ボルトとは違い穴がないので、六角ナットと同様スパナ、レンチなどを使用し締め付けます。

2.六角穴付ボルト

六角ボルトに似た形状で頭部に六角の穴が開いており、キャップスクリューとも呼ばれているボルトです。きつく締め付けたい時に使用頻度が高いボルトで、締め付けには六角レンチを使うのが最大の特徴です。六角レンチは六角穴付ボルトのサイズにぴったりとしたものを選ばなければ使えないため、ボルトを壊すことなく強い締め付けが可能になっています。

六角穴付ボルトは六角ボルトと比較し、ねじ部の呼び径が小さい規格品も多く流通しています。呼び長さが長い場合、半ねじと全ねじがあるため注意が必要です。

3.アイボルト

アイボルトは頭部にリングがついており、一般家庭にはあまりなじみのないボルトです。機械などに取付け、機械を吊る吊り金具として利用されます。

またアイボルトは他のボルトと違い、ねじ部分の呼び長さにはあまり種類がありません。これはアイボルトのねじ部分が他のボルト類のように部材と部材を締結することを目的として使われるのではなく、リング部分にワイヤーやチェーンをひっかけるために部材に固定することが目的として使われているからです。

4.チョウボルト

チョウボルトは蝶ボルトと書き、文字通し蝶に似ていることから、この呼び名が付けられました。蝶ボルトは手で締められることが最大のメリットです。六角ボルトは六角穴付ボルトはスパナや六角レンチで締め付ける必要がありますが、蝶ボルトは工具は不要です。

頭部が蝶の形をした、取っ手がついたおねじのボルトでつまみねじの代表と言ってもよいでしょう。英語では蝶ボルトの取っ手部分を翼に見立てウィングボルトと呼ばれています。蝶ボルトと同じく取っ手があるナットは蝶ナットといい、おねじとめねじとの違いとなります。

蝶ボルトとは1種~3種までの規格があり、1種、2種は取っ手部分が重厚かつ高級感を感じられますが、その分価格も高くなります。3種は比較的軽く、価格も安価設定になっています。流通量では2種、3種が多くなっています。

ビスの種類

ビスの種類

ビスは木材だけではなく、石膏ボードやコンクリート用のビスなど、種類はさまざまです。打ち込む材質によって適したビスを使用することが必要です。ビス(小ねじ)は通常1~8mmの比較的小さな径のおねじです。頭部に直線の溝もしくは十字の穴があり、ドライバーで締めつけることができます。

ここでは代表的な以下4種類のビスをご紹介します。
 

  1. コーススレッド
  2. 鉄鋼用ビス
  3. ALCビス
  4. コンクリートビス

1.コーススレッド

木材と木材を締結する時に使用するコーススレッドビスは目が粗く、しっかりと木材を固定することができます。ネジと釘の性質を併せ持つため、釘のように使えるのに釘の5倍以上の保持力を持っています。

コーススレッドビスはほとんどのものは半ネジで、木と気を締め付ける際に板浮きが生じ隙間が空いてしまう恐れがあるので、ぴったりと締結したい時には半ネジを使用します。ただし、短いものの場合には全ネジの商品もあるため、購入の際には注意しましょう。

コーススレッドビスは、石膏ボード用ビスやウッドデッキビスなど専用ビスもあります、また頭部形状がラッパのような形をしているフレキ付きのビスもあります。一般的にコーススレッドはラッパ形状のものが多く頭部が緩やかなカーブを帯び、木材やプラスターボードの表面に沈みにくいようになっています。

プラスターボードは石膏を固め紙で挟んでいるボードなので、ラッパ形状のものが適します。フレキ付きのものは逆に沈みやすいため、硬い木材、ケミカル板などに適しています。用途によってコーススレッドビスを選択するようにしましょう。

2.鉄鋼用ビス

鉄鋼用ビスは鋼板などを鋼材に固定する際に使用したり、金物やボードなどを鉄鋼下地に固定する際に使うビスです。

下穴を開けながら締結することができ、先端がドリル状になっており鋼板などに下穴をあけずにビスを締結することができるという特長があります。材料が厚く硬い場合には下穴をあけてからビスを締結する必要があり、建築現場でも最も多く使われています。ビスの太さに合わせ適切な下穴をあけることが重要なポイントです。

頭の形状はナベ頭、サラ頭、六角頭などの種類があり、また防水性能を必要とするときなどに使うパッキン付などの商品もあります。

3.ALCビス

ALCビスは名前の通り、ALC板に金物などを固定する際に使用するビスです。ALC板は気泡が入った軽量のコンクリート板で主成分は硅石、セメント、生石灰や石膏を凝固している素材なので、穴を簡単に開けることができる部材です。

ALCビスは下穴を開けずに直接ねじ込めるビスなので、ALCにねじ山を形成しながら固定することができます。再取付も可能で壁にしっかりと締結することができます。ALCは柔らかいため締めすぎると空回りしてしまい、ねじ山が壊れ効かなくなる恐れがあるので手回しで締め付けましょう。
 

4.コンクリートビス

コンクリートビスはコンクリートに直接、締結できるプラグレスビスです。高いねじ山と低いねじ山でしっかりと締結できる構造になっており、確実に取り付けることができます。配管用のサドルやスイッチボックスなど様々な用途に使われ、材質はステンレスをはじめ、中には鉄製でもサビに強いコーティング仕上げが施されているものもあります。

使用の際には下穴をあける必要がありますが、小径のため作業性にも優れています。またエアー工具で締め付ける専用ビスなど幅広い業種にあった種類のビスがありますが、下地の材質などを把握し適切なビスを選ぶことが重要です。

ねじやボルトでお困りならツルタボルトがおすすめ!

ねじやボルトでお困りならツルタボルトがおすすめ!

ねじやボルトのことなら、新潟県内に本社があり豊富な種類のねじに対応している「ツルタボルト株式会社」がおすすめです

ツルタボルトでは燕三条で培った確かな技術と経験で、特殊オーダー品も低コストで迅速に対応する事が可能です

また、ボルト・ねじ類から機械・工具まで常時30,000点の在庫数で最適な製品を提案してくれます。今後はボルト・ナットを超えて、締結用品全般・締結を補助する工具などの情報・知識の提供などを顧客に提供していきます。

ねじやボルトでお困りの際は、一度ツルタボルトへ相談してみると良いでしょう。

ツルタボルト株式会社/ねじの事なら何でもお気軽にお問い合わせください。

まとめ

まとめ

ボルトもビスも釘もねじの1つです。しかし形状や用途はさまざまです。これらのものを使う際には、締結する部材をしっかりと確認し、それに適したボルトやビス、釘を選ぶことが重要となるでしょう。またサイズもそれぞれ異なるので、それらもしっかりと確認しておきましょう。
 

  • ネジ・・・らせん状の溝があるものの総称である。おめじとめねじがある。
  • ボルト・・・ナットと1セットで使用される。外側の側面に溝がついているおねじ。
  • ビス・・・側面に溝がついている小さなおねじ。

【代表的なねじの種類】
  1. 皿小ネジ
  2. ナベ小ねじ
  3. 丸皿小ねじ
  4. トラス小ねじ
  5. バインド小ねじ
  6. アプセットボルト(アプセット小ねじ)
  7. マイクロネジ(0番ねじ)

【代表的なボルトの種類】
  1. 皿小ネジ
  2. ナベ小ねじ
  3. 丸皿小ねじ
  4. トラス小ねじ
  5. バインド小ねじ
  6. アプセットボルト(アプセット小ねじ)
  7. マイクロネジ(0番ねじ)

【代表的なビス】
  1. コーススレッド
  2. 鉄鋼用ビス
  3. ALCビス
  4. コンクリートビス

関連するまとめ

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ